八仙花

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外出を控える日々ですが、たまに買い物や通院での外出時、道端の庭の植木に、「紫陽花(あじさい)」が綺麗だと思ったら、案の定、北関東も梅雨入りとなりました。

どうして、だれも読めない様な漢字をあてて、「あじさい」を表記したのかなと思うのです。“季節の花300”に次の様にあります。

『開花時期は、 6/ 1 ~ 7/15頃。ちょうど梅雨時期と重なる。紫陽花は日当たりが苦手らしい。

名前は、「あづさい」が変化したものらしい。「あづ」は「あつ」(集)、「さい」は「さあい」(真藍)で、青い花が集まって咲くさまを表した。「集真藍」「味狭藍」「安治佐為」 いろいろある♪

日本原産。本来の「紫陽花」とは、唐の詩人の白居易さんが命名した、別の紫の花のことで、平安時代の学者、源順(みなもとのしたごう)が今のあじさいにこの漢字をあてたため誤用がひろまったらしい。(でも、いい雰囲気の漢字)中国では「八仙花bāxiānhuā」または「綉球花」と呼ぶ。 

色がついているのは「萼(がく)」で、花はその中の小さな点のような部分。しかしやはり萼(がく)が目立つ。「萼(がく)紫陽花」の
 ”萼”は ”額”と表記することもある。

花色は、紫、ピンク、青、白などいろいろあり。花の色は、土が酸性かアルカリ性かによっても変わるらしい。酸性土壌→ 青色っぽくなる、アルカリ性土壌→ 赤色っぽくなる。

また、花の色は、土によるのではなく遺伝的に決まっている、という説もあり、また、定点観測していると、青 → 紫 → ピンク、とゆるやかに変化していくものもあるので、決定的な法則はないのではないか、と思います。

江戸時代に、オランダ商館の医師として、日本に滞在したシーボルトは、この花に魅せられ、愛人の「お滝さん」の名前にちなんで、学名の一部に、「オタクサ」otaksa の名前を入れたとのこと。(でも実際には、それより前に既に学名がつけられていたため、シーボルトがつけた「お滝さん」の学名は、採用されなかったらしい)』

紫陽花やはなだにかはるきのふけふ

これは、正岡子規が詠んだ句ですが、「はなだ」とは聞きなれない語です。紫陽花の花の色を、そう言うのだそうで、「薄い藍色」のことです。「灰色がかっている青」を、そんな色の名を決めた、昔の人の観察眼には、驚かされてしまいます。色が微妙に変化するのを、子規は詠んだわけです。明治人の国語力にも驚かされます。

梅雨入りと紫陽花は、一対の様です。私たちが住んでいた華南の街の北の山間部に、清の時代のおわりごろからでしょうか、外国人が華南の街にも住み始めて、避暑地として利用した小高い山の部落があって、そこに紫陽花が綺麗に咲いていました。今頃は、日本と同様に、最盛期でしょうか。子規の「昨日今日」を、「きのふけふ」と記すのもいいですね。

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