駅弁

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何年か前の帰国時に、以前に次男が住んでいた代官山から、タクシーで品川駅に行き、そこから東海道線の鈍行に乗って、家内と一緒に、掛川の友人宅まで出かけたことがありました。時間がたっぷりあって、急ぐ旅ではなかったので、品川で駅弁を買って乗車したのです。

昔の旅を味合おうとして、東海道を京に向けて、品川を発った江戸っ子の旅の様でした。箱根峠の茶屋で、団子を食べるわけにはいきませんでした。「幕の内弁当」だったでしょうか、久しぶりの「駅弁」でした。母の故郷の出雲に連れて行ってもらった時に、4人の子のために、食事時には、母は、その駅弁を買って食べさせてくれたのでしょう。食べたことを覚えていませんが、ひもじい思いをした思い出がなので、しっかりと食べたに違いありません。ただ長い旅であったことだけは覚えています。

大人になって、後で分かったのは、母の「家出」に、4人の子が付き合わされて、母の故郷に行った旅だったのです。母と父との間にも、四十年ほどの結婚生活に、様々なことがあったのは事実でした。でも、父も母も養育を放棄することなく、育て上げてくれ、教育も施してくれたことは感謝でいっぱいなのです。

『・・・駅弁は、栃木県の宇都宮駅で販売されている「滊車辨當(きしゃべんとう)」です。この「滊車辨當」から、日本の駅弁の歴史は始まりました。発売されたのは、1885(明治18)年7月16日。日本初の私鉄である日本鉄道が延伸され、宇都宮駅が開業した日です。駅のホームでは、竹皮に包まれたおにぎりが販売されました。これが駅弁誕生の瞬間と言われています(櫻井さん)』、だそうです。
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次男が好きだったのが、信越線横川駅の「峠の釜めし」でした。益子焼の器に入っていて、確かに美味しいのです。この日曜日に、所用で宇都宮に出掛けたのですが、東武宇都宮線の「東武宇都宮駅」で下車したのです。ところがJR宇都宮駅ではなかったので、本邦最初の駅弁を買い求めることができず、結局、昼食は、東武デパートの八階で、「宇都宮餃子」を食べてしまいました。それに、「佐野ラーメン」の小を注文し、家内は水餃子、私は焼き餃子でした。

〈駅弁発祥の地〉には、諸説あるそうですが、宇都宮駅版には、文書の記録が残されていて、やはり説得力がありそうです。松本清張の原作の「張込み」や「点と線」が映画化され、その中に、確か「駅弁」の場面があったと思うのです。東京で起こった殺人事件の容疑者を確か佐賀に、香椎(かしい/福岡市)で起きた事件で東京駅まで、刑事が事件を究明していく中に、その場面があったのです。そんなことを思い出していたら、駅弁が、また食べたくなってしまいました。

(宇都宮駅の駅弁の復刻版、横河駅の「峠の釜めし」です)
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