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今はブームが、とっくに去ってしまったのですが、任侠映画をご覧になった方は、ご存知かも知れません。ほとんどの映画に、骰子(さいころ)や花札の博打(ばくち)の場面が出て来ます。開帳するのが博徒で、賭け事の好きな旦那衆がゴザの周りに座って、〈チョウ〉、〈ハン〉にお金をかけるのです。イカサマが多くて、露見されると、ゴザがひっくりかえされて、乱闘が繰り広げられ、主人公が勝つのです。
私の友人に誘われて、新宿の映画館で観た、「昭和残俠伝 唐獅子牡丹」にも、そんな場面が、確かあったと思います。いつの時代も、〈御法度(ごはっと)〉で、奉行所の役人や警察官が乱入して取締り、捕縛される、触法の犯罪なのです。わが家に、なぜか「花札」がありました。お相撲さんが、花札の賭博罪に触れて逮捕され、送検されて、押収されたものでした。
麻雀でも、トランプカードでも、お金を賭けてゲームをすると、〈賭博罪〉になり、処罰の対象になります。ところが、地方公共団体が施行する競馬・競輪・競艇・オート━レース・宝くじが行われて、胴元が違うと、賭博罪にはならないのです。博徒がしたり、普通の人同士で賭け事をすると、犯罪になる〈矛盾〉があるのです。『隣の◯X市財政は、とても豊かです!』、『どうして?』かと言うと、公営賭博が行われているからだそうです。
〈賭け事〉で、身を滅ぼし、家族が離散してしまったと言う話は、昔から多くあったことで、儲けられるのは、ほんのわずかな人で、多くは不幸にしてしまうのです。莫大な額を失った方を知っていますが、一度、賭け事で勝つと、〈夢よもう一度〉で、負け続けても、『今度は勝てそうだから!』と、泥沼に嵌まり込んで、抜け出せなくなるのです。
それなのに、また、〈カジノcasino〉を、国が始めようとし、法整備も行われています。富裕層の遊びならともかく、貧しい階層も、〈一攫千金〉を願って、高い入場料を払って、賭場に入場するに違いありません。それで、国や自治体の歳入を確保するのでは、短絡的過ぎるのです。この世は、この世の政治は、この世の人間社会は不合理と不条理の世界なのでしょう。〈斬った張った〉にならない様に、是非ともやめて欲しいものです。
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