九層倍

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私たちが長く住んだ華南のアパートの近くのバス停から、7つ目ほど行ったバス停の近くに、大きな敷地の工場があります。薬の製造をしているのが、工場名で分かります。外観だけ見ても、近代的な設備を備えている工場の様です。大きな駐車場に車が止まっていますから、自動車通勤をされている授業員が多いのだと思われます。女子従業員も多そうで、自転車置き場にもたくさんの自転車が駐輪されています。

中国でも薬の需要が多く、西洋薬が中医薬に迫るほどに、薬局に並べれれています。メンソレータムとか正露丸の名の付いた物などもあるのには、驚かされます。この薬局が、数えきれないほどあるのです。いかに中国のみなさんが薬を服用するかが分かります。莫大な資金を投入して、薬が作られていて、従業員の待遇も良さそうなので、莫大な収益をあげているに違いありません。

今、家内が、通院して、“ キイトルーダ “という点滴を受け、その他の鎮痛剤、胃薬、骨粗鬆症予防薬などを処方されて持ち帰って、服用しています。先日、その薬の価格を、改めて見て驚きました。後期高齢者なのと、高額医療費への減額や制限がありますから、請求、領収額にびっくりしないのですが、実際の治療費を見て、驚いたのは、〈医薬品の価格の高さ〉です。

自分は商人ではありませんでしたので、価格設定がどう言った風になされているのか知りませんが、医療保険制度が逼迫しているニュースを聞くにつけ、薬代が驚くほどに高いのが、その原因ではないでしょうか。化粧品と同じで、薬も〈高価格〉でないと、効かないと、医薬業界も患者も思うからなのでしょうか。

薬の成分の原価の何十、何百、何千倍もの価格設定がなされているのではないかと思うのです。〈儲け過ぎ〉は否めません。少々口を悪くして言ってみますが、医薬品業界が、《病んでいる》様に感じるのです。街中の八百屋さんや肉屋さんは、仕入れ値に2〜3割をかけて、値段が設定されるのが健全価格ではないでしょうか。ロス計算を入れても、そんなところが古来、商人の常識ではないのでしょうか。

収益で、子育てで食べさせ、着せ、教育を受けさせ、たまには娯楽で音楽会に行ったり、旅行に出かけて、文化的な生活をする、そう言ったものではないでしょうか。アメリカなどの企業経営者は、信じられないほどの《社会還元》をされていることを聞きます。それが、企業経営者の使命だと断じているからです。

「薬九層倍(くすりくそうばい)」は、薬屋さんへの〈やっかみ(ねたみ、うらやみ〉だけではなく、事実なのでしょうか。

(新撰組副長の土方歳三が若い頃売り歩いていた家伝薬です)

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