この花は「二輪草」です。春の花なのですね。風雪を越えて来た〈夫婦愛〉を、この二輪草になぞらえて歌った歌がありました。
あなた おまえ
呼んで呼ばれて 寄り添って
やさしくわたしを いたわって…
好きで一緒に なった仲
喧嘩したって 背中あわせの ぬくもりが
かようふたりは ふたりは二輪草
ほうら ごらん
少しおくれて 咲く花を
いとしく思って くれますか…
咲いて清らな 白い花
生きてゆくのに 下手なふたりが さゝやかな
夢をかさねる ふたりは二輪草
おまえ あなた
春がそこまで 来たようだ
よかった一緒に ついて来て…
雨よ降れ降れ 風も吹け
つらいときにも 生きる力を くれるひと
どこに咲いても ふたりは二輪草
この花は、「Anemone(アネモネ)」の一種だそうで、ギリシア語の「anemos(風)」を語源とし、春の初めのおだやかな風が吹き始める頃に花を咲かせるからとも言われます。和名で「二輪草(ニリンソウ)」なのです。ひとつの茎から二輪ずつ花茎が伸びることから、そう命名されています。英語では「Soft windflower(柔らかな風の花)」と呼ばれるそうです。
今日、4月4日は、家内と私の結婚の「四十八周年」になりました。風雪も嵐も、そして何度か〈死の危機〉もあった年月を、二人で超えて来たかな、の今日です。あの日にも、この二輪草が咲いていたのでしょう。4人の子が与えられ、彼らも結婚をし、それぞれ家庭人となりました。
今年の記念日は、それぞれの居場所で、過ぎた年月を、家内は家内なりに、私は私なりに思い出すことにしましょう。そして、これからの日々にも思いを巡らせて行きたいと思っています。多くの人たち、父や母、兄弟姉妹、友人、恩師、隣人たちがいてくださって、私たちの今日があります。
1980年の初夏、住んでいたアパートの上階でガス爆発があって、家族全員、次男は家内のお腹にいましたが、火をくぐり抜けて生き延びたのです。胸がキューンとするほど懐かしく思い出されてくる、時と日と出来事の年月でした。たまに食べたバイパス沿いの店のラーメン、何軒か向こうの店で買って食べた焼き鳥、みんなで出かけた相良の夏の海、そんな日々があっての今日です。病む日もありましたし、あります。
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