もう赤とんぼや鈴虫が

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『あなたの若い日に、あなたの創造者を覚えよ。わざわいの日が来ないうちに、また「何の喜びもない」と言う年月が近づく前に。(新改訳聖書 伝道者の書12章1節)』

 それでも、もう赤とんぼが、ベランダの朝顔の葉やなでしこの花の間を飛ぶ様になり、夜間は虫の声もする様になっています。どんなに暑くても、季節の移り変わりが感じられるのは、今年は、救いの様に思えてしまいます。

 間もなく、甲子園の熱戦が始まりますが、高校野球連盟の報告(硬式野球)は、次の様です。今回は、第106回の大会で、甲子園への出場校数は、49校です。

 『本日、富山県で全国最後の地方大会組み合わせ抽選会が終了し、今大会の参加チーム数が、3,715校3,441チーム(昨年3,744校3,486チーム)で確定しました。

参加チーム数は、抽選会に参加したチーム数を集計したものです。

今回、最も参加校が多いのは愛知の173チーム、次いで神奈川168チームで、大阪の155チーム、兵庫の152チーム、千葉の148チームで、全国10地方大会で参加チームが100チームを超えており、最も参加チームが少ないのは鳥取の22チームです。

また、『統廃合の特別措置』による連合チームは8校4チーム、部員不足による連合チームの参加は403校133チームです。(7月5日付)』

と報告されています。私が、高一だった1960年は、参加校は、1903校、出場校は30校、優勝校は法政二高(神奈川県代表)でした。東京都の予選は、東西に分かれる以前でした。高三だった1962年は、参加校1996校、出場校は30校、北関東代表(栃木県と群馬県)の栃木県宇都宮市の作新学院が優勝しています。プロ野球で活躍したエースの八木沢壮六が赤痢にかかり、急遽控えの加藤斌が投げて優勝した年でした。加藤は、上海で誕生しています。

 今年は、地元の栃木県県予選の試合を観戦しましたので、県代表になって出場する、県立石橋高校を応援したいと思っています。自分の高校時代は、公立校の参加校での比率が高い時代でしたから、今と比べ隔世の感がします。でも、予選で敗退した学校、複数校の混成チームでの参加校、参加してもレギュラーになれない控え選手、応援席で応援する選手たちをひっくるめて、高校野球が成り立っています。脚光を浴びない競技の選手、文化部の部員、活動不参加の高校生、高校に行かないで働いたり病んだり悩んだりしている人たちだっています。

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 みんな一回きりの青春の一コマを生きているのです。頑張らなくてもいいから、一瞬でも輝いた時を過ごして欲しい、と願う私です。ボールに石灰を塗って、ボールを投げ、シュートしていた陽が落ちた薄暗いグラウンドで、隣で練習していた野球部は帰ってしまっていても、自分たちだけが練習していていました。空きっ腹で嗅いだ、近所の夕餉(ゆうげ)の秋刀魚を焼く匂いと煙が懐かしく思い出されてしまいます。

(“いらすとや”の鈴虫と焼き秋刀魚です)

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