これまで帰国して、こちらに戻るときに、必ずといって買って来ることにしていた物があります。風邪薬とかチーズとか衣服ではありません。何かといいますと、「食パン」なのです。「イギリスパン」と言うと思うのですが、頭が、コックさんがかぶるような丸みを帯びた独特に歯応えのある、生地で焼いた食パンなのです。なぜ買ってくるのかといいますと、こちらにはないからです。2斤ほど買ってきて、家内と、毎朝一枚ずつ食べて1週間しか食べることができないのですが、買ってきてしまうのです。
ところが、最近は、それをしなくなったのです。パンが嫌いになったのかと思われるでしょうか。いいえ、パンは依然と大好物で、一日三食パンでも、私は大丈夫ですから、食卓になければ、涙は流しませんが、寂しくて仕方がないほどです。それで、買って帰らなくなったのは、こちらで、美味しいパンと巡り合ったからです。この街の繁華街のバス停の近くに、カナダから輸入した小麦粉を使って、日本の製パン機で、日本の技術を収得された職人さんが焼いているパンです。これを、マレーシア人の知人から紹介されたのです。次男の家の近くの代官山のパン屋に勝るとも劣らないパンなのです。
家内が、週に一度は、バスに乗って買い出しに行ってくれるのです。ところが、このパン屋さんのオーナー夫妻と、昨年の暮になって、知り合いになったのです。今日も、個人的なお世話になりましたので、お礼にお店に行きましたら、「チーズ・ケーキ」と「ラテ・コーヒー」を出して下さり、ご馳走になってしまいました。この「チーズ・ケーキ」も、新宿のデパートで買って食べるような味で、美味しいのです。ニコッと幸せを感じるほどの味、これが今一番の楽しみになっているのです。
食べることって、「下衆(げす)」なことでしょうか。いいえ、大切な営みだと思っております。人の生命を支える摂取物、美味しい物を美味しく食べられるというのは、健康だからではないでしょうか。まあ健康のバロメーターとして、このパンを味合うことにしようと、今、心に決めております。このお店からの帰りに、食パンを二斤、フランスパン一本、サンドイッチ二人前を買い、その店の近くの「日本食品店」で、納豆と醤油を買って帰りました。トーストした食パンに、納豆をのせて食べるのも、実に趣があって美味しいのです。明朝は・・・、一度お試し下さい。
(案内は、この3月に大阪南港で行われる「国際製パン製菓関連産業展・MOBAC」です)