『祝、イチローさん!』、MSNの「イチローが10年連続200安打を達成(9月24日 2:44)」のインターネット・ニュースを見て、この快挙に心からの賞賛を送ります。浮沈の激しいプロ野球、しかもアメリカ球界での、この金字塔の記録は、あなたの弛みない努力と刻苦と勉励の賜物です。
あなたの語られる野球理論を、なんどもテレビで見聞きしました。『たかが野球!』と、人は言いますが、一芸、一道に精進して、このような未曾有の記録を打ち立てたあなたに、もう一度拍手を送ります。
あなたは、私の子どもたちと同じ世代で、スポーツを愛した彼らと、同じ時期に、それぞれのグラウンドや体育館の床の上に汗や涙を流した仲間なのです。あなたより一学年上の長男も、小学校時代から、田舎の町の「スポーツ少年団」の野球部に所属していました。彼もまた、プロ野球選手になりたいと、灼熱の夏のグラウンドを、汗と泥にまみれて走っていました。『お父さん、僕、プロの選手になったら、お父さんとお母さんに家を買ってあげるからね。車だって・・・。』と言ってくれました。身長は、あなたよりも高かったかもしれません。
彼は、中学ではピッチャーでした。大切な試合の日だったと思いますが、日曜日でした。私の仕事の関係で、どうしてもその日に出ていくことができなかったのです。このことが監督の不興を買って、それ以降は補欠に回されたのです。このことは、彼が大学を出てから、彼の書いた文章を、たまたま見て知ったのですが。
補欠でも、彼はめげることはありませんでした。3年間クラブ活動を続けたのです。あなたが愛工大名電高校に進学を考えていた時期に、市内の学校に、野球選手としてではなく、奨学生として誘いを受けていました。彼は、留学を考えていましたので、それを固辞し、結局、ハワイの公立高校に留学を果たしたのです。野球は続けませんでしたが、アメリカで学びを続け、スポーツを愛し、人を愛して、一人の妻と二人の子供の夫と父として、今生活しています。野球少年の彼にとって、日本の星であるあなたは、自分の果たせなかった夢を成就した同世代の球友として誇りを感じていることでしょう。私もまた、スポーツを愛する一人として、この記録は尋常ではなく、類まれなる快挙だと、手放しで喜んでいます。
一億総自信喪失の私たち日本人にとって、この記録は、何にも代えがたい激励です。あなたを天才と呼ばないことにします。なぜなら、あなたは、誹謗や悪意や不理解に屈することのない、明確な目的を持ち持ち続けて、一つのことに邁進してこられたからです。才能などに恵まれない子どもでも、あなたの生き方に倣って、だれでも生きていけるからです。あなたの背番号の“51”にふりがなを振ると、《努力》が一番似合いそうです。特に困難や逆境を越えていく、あなたの抜群の不屈の精神を褒めたいと思っています。
イチローさん、心からお祝い申し上げます。さらなるご活躍を、ここ華南の空の下から願っております。