黄河の砂の中から

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 先ほど電話があり、『去年、船の中でお会いした◯川です!・・・・沖縄に関係がある遺跡に来て、会えるかと思って、近くの師範大学に行ったら、親切な方が調べてくれ、お宅の電話番号を教えてくれましたので電話しました。』と言っておられました。私が教えているのは、師範大学ではなく、別の大学なのに、どうして私の電話番号が分かったのか、じつに不思議です。◯川さんがお会いしたのは、どんな「親切な方」だったのでしょうか。実は、我が家の電話番号を知っておられるのは、ほんの僅かな人だけですから、私の働いてる大学も知らないはずなのに、いわんや師範大学では調べようがないのにです。ちょっと、《狐に摘まれている感じ》でおります。多分、『Z女史にちがいない!』と思っていますが如何に。

 500万人もいる省都の中で、外国人の私の家の電話番号、そして電子メールのアドレスを知っている方から、教えられたというのですから、黄河の砂の中から指輪を探し出すようなものです。こんな人と人との出会いがあるのでしょうか。隣に背中合わせにいても、すれ違ってしまって、二度と会えない知人同士、恋人同士だっていると聞きますから、摩訶(まか)不思議です。『これから午後、別の町に行くことになっていて、ちょっとお会いしたくなって・・』と言っていました。しかし私は、『学校があって、今日は時間がとれないので・・・』と、電話でやり取りをしました。

 この方とは、去年の8月から3ヶ月の間、中国中を一人旅すると言って、上海の埠頭で別れたのです。私の名前、この街にいることは覚えておられたのですが、聞いた大学の名を忘れ、多分と思って訪ねた大学で、「親切な方」に借りた電話でかけてきたわけです。昨年の9月15日の事件の最中も、旅行をされて11月に帰国されたのだと言っていました。私の娘婿が働いていた飯田市の出身で、東京に隣接する街に住んでおられ、退職後奥様の許可を頂いて旅行をしていると言っていました。私より1つほど若い方です。

 今電話をしましたら、やはり「Z女史」でした。今日は旧キャンパスで教えていたら、知り合いから電話があって、私の電話番号を教えたのだそうです。この知り合いで、「親切な方」は、私のことを知っていて、それなら「Z女史」に聞けば分かるだろうと思って、聞いてこられたそうです。500万もの人の群れの中にやって来て、訪ねた人が私を知っていたというのは、「千載一遇」という出会いなのでしょうか。いやー、ほんとうに驚きました。今日の午後、授業がなかったら、跳んでいけたのですが、まあ、次回の楽しみにしようと思います。◯川さんたち三人の旅の無事を願いつつ、「親切なか人」にも感謝して。

(写真は、黄河中流の「壺口瀑布」の花です)

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