諸般の惡しき事の根なり

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 それ金を愛するは諸般の惡しき事の根なり、ある人々これを慕ひて信仰より迷ひ、さまざまの痛をもて自ら己を刺しとほせり。(テモテ前書6:10)』

 世の中を動かしている「金(かね)」を揶揄して、歌った添田唖蝉坊(あぜんぼう)の作曲による「金金節」です。

金だ金々 金々金だ
金だ金々 この世は金だ
金だ金だよ 誰が何と言おと
金だ金だよ 黄金万能

金だ力だ 力だ金だ
金だ金々 その金欲しや
欲しや欲しやの顔色目色
見やれ血眼くまたか目色

一も二も金 三・四も金だ
金だ金々 金々金だ
金だ明けても 暮れても金だ
夜の夜中の 夢にも金だ

泣くも笑うも 金だよ金だ
バカが賢く 見えるも金だ
酒も金なら 女も金だ
神も仏も 坊主も金だ

坊主可愛や 生臭坊主
坊主頭にまた毛が生える
生えるまた剃るまたすぐ生える
はげて光るは つるつる坊主

坊主抱いてみりゃ
めちゃくちゃに可愛い
尻か頭か 頭か尻か
尻か頭か 見当がつかぬ
金だ金だよ医者っぽも金だ

学者・議員も政治も金だ
金だチップも賞与も金だ
金だコミッションも賄賂も金だ
夫婦・親子の中割く金だ

金だ金だと 汽笛がなれば
鐘もなるなる ガンガンひびく
金だ金だよ 時間が金だ
朝の5時から 弁当箱さげて

ねぼけ眼で 金だよ金だ
金だ工場だ 会社だ金だ
女工・男工・職業婦人
金だ金だと 電車も走る

自動車・自転車・人力・馬力
靴にわらじに ハカマにハッピ
服は新式 サラリーマンの
若い顔やら 気のない顔よ

神経衰弱 栄養不良
だらけた顔して 金だよ金だ
金だ金だよ 身売りの金だ
カゴで行くのは お軽でござる

帰る親父は 山崎街道
与市べえの命と 定九郎の命
勘平の命よ 三つの命
命にからまる サイフのひもよ

小春・治兵衛 横川忠兵衛
沖の暗いのに 白帆がみえる
あれは紀の国 みかんも金よ
度胸どえらい 文左衛門だ

江戸の大火で暴利を占めた
元祖・買い占め・暴利の本家
雪の吉原 大門うって
まいた小判も 金だよ金だ

お宮貫一 金色夜叉も
安田善次郎も 鈴弁も金だ
金だ教育 学校も金だ
大学・中学・小学・女学

語学・哲学・文学・倫理
理学・経済学・愛国の歴史
地理に音楽 幾何学・代数
簿記に修身 お伽に神話

コチコチに固くなった頭へ詰める
金だ金だと むやみにつめる
金だ金だよ 金々金だ
そうだ金だよ あらゆるものが

動く・働く・舞う・飛ぶ・走る
ベルがペン先が ソロバン玉が
足が頭が 目が手が口が
人が機械か 機械が人か

めったやたらに 輪転機が廻る
金だ金だと うなって廻る
「時事」に「朝日」に「万朝」「二六」
「都」「読売」「夕刊報知」

捨子・かけおち・詐欺・人殺し
自殺・心中・空巣に火つけ
泥棒・二本棒・ケチンボ・乱暴
貧乏・ベラ棒・辛抱は金だ

金だ元から 末まで金だ
みんな金だよ一切・・金だ
金だ金だよ この世は金だ
金・金・金・金 金金金金だ金々 金々金だ
金だ金々 この世は金だ
金だ金だよ 誰が何と言おと
金だ金だよ 黄金万能

金だ力だ 力だ金だ
金だ金々 その金欲しや
欲しや欲しやの顔色目色
見やれ血眼くまたか目色

一も二も金 三・四も金だ
金だ金々 金々金だ
金だ明けても 暮れても金だ
夜の夜中の 夢にも金だ

泣くも笑うも 金だよ金だ
バカが賢く 見えるも金だ
酒も金なら 女も金だ
神も仏も 坊主も金だ

坊主可愛や 生臭坊主
坊主頭にまた毛が生える
生えるまた剃るまたすぐ生える
はげて光るは つるつる坊主

坊主抱いてみりゃ
めちゃくちゃに可愛い
尻か頭か 頭か尻か
尻か頭か 見当がつかぬ
金だ金だよ医者っぽも金だ

学者・議員も政治も金だ
金だチップも賞与も金だ
金だコミッションも賄賂も金だ
夫婦・親子の中割く金だ

金だ金だと 汽笛がなれば
鐘もなるなる ガンガンひびく
金だ金だよ 時間が金だ
朝の5時から 弁当箱さげて

ねぼけ眼で 金だよ金だ
金だ工場だ 会社だ金だ
女工・男工・職業婦人
金だ金だと 電車も走る

自動車・自転車・人力・馬力
靴にわらじに ハカマにハッピ
服は新式 サラリーマンの
若い顔やら 気のない顔よ

神経衰弱 栄養不良
だらけた顔して 金だよ金だ
金だ金だよ 身売りの金だ
カゴで行くのは お軽でござる

帰る親父は 山崎街道
与市べえの命と 定九郎の命
勘平の命よ 三つの命
命にからまる サイフのひもよ

小春・治兵衛 横川忠兵衛
沖の暗いのに 白帆がみえる
あれは紀の国 みかんも金よ
度胸どえらい 文左衛門だ

江戸の大火で暴利を占めた
元祖・買い占め・暴利の本家
雪の吉原 大門うって
まいた小判も 金だよ金だ

お宮貫一 金色夜叉も
安田善次郎も 鈴弁も金だ
金だ教育 学校も金だ
大学・中学・小学・女学

語学・哲学・文学・倫理
理学・経済学・愛国の歴史
地理に音楽 幾何学・代数
簿記に修身 お伽に神話

コチコチに固くなった頭へ詰める
金だ金だと むやみにつめる
金だ金だよ 金々金だ
そうだ金だよ あらゆるものが

動く・働く・舞う・飛ぶ・走る
ベルがペン先が ソロバン玉が
足が頭が 目が手が口が
人が機械か 機械が人か

めったやたらに 輪転機が廻る
金だ金だと うなって廻る
「時事」に「朝日」に「万朝」「二六」
「都」「読売」「夕刊報知」

捨子・かけおち・詐欺・人殺し
自殺・心中・空巣に火つけ
泥棒・二本棒・ケチンボ・乱暴
貧乏・ベラ棒・辛抱は金だ

金だ元から 末まで金だ
みんな金だよ一切・・金だ
金だ金だよ この世は金だ
金・金・金・金 金金金

 昔、どこかの国の銀行家が亡くなった時に、棺に入れられるにあたって、一つのことを注文をしていました。棺の両脇に穴を開けてもらうように依頼したのです。棺に納められた時、その棺の左右に穴を開け、両腕を出すように遺族に頼んだのです。それを見た葬儀出席者は驚いたでしょうね。

 巨万の富を運用し、ご自分も多くを得た銀行家も、一銭も持たずに、死んでいくということを、世に伝えたかったからでした。それなのに、お金のために人を騙し、人を殺し、国を売る人は止みません。

 事業を興し運営するためにはお金が必要です。教育をするにも受けるにもお金が必要です。社会福祉や社会事業を行うにもお金が必要です。政治をするにも莫大な選挙資金、運営資金が入ります。実家に帰るにもお土産代、交通費、滞在費などが必要です。貨幣経済の社会では、お金が、どうしても必要です。宗教法人も、医者も、そして詐欺師も、人を騙して、あれやこれやと策を講じては金集めをして暗躍している現状であります。

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 唖蝉坊は、関東大震災の後に、「コノサイソング」を作詞作曲歌唱しています。

コノサイ コノサイ コノサイだ
なんでもかんでもコノサイだ アラマ オヤマ
コノサイこうしてもらいたい
コノサイですから勘弁してください エーゾ エーゾ
コノサイ流行 エーゾ エーゾ

泣くなそんなに泣くと地震がくると
親が子供をだまかせば アラマ オヤマ
子供のいうことフルってる
地震がありゃまたコノサイで貰える貰える エーゾ エーゾ
コノサイ流行 エーゾ エーゾ

チンチンドンドン復興院
鐘だ太鼓だ鳴り物入りよ アラマ オヤマ
御膳ならべてチンドンドン
大きな風呂敷ふしぎな風呂敷 エーゾ エーゾ
のびたりちぢんだり エーゾ エーゾ

風呂敷ひろげてコノサイだ
風呂敷たたんでコノサイだ アラマ オヤマ
何でもコノサイコノサイだ
お膳立てばかりで御飯もたかずに エーゾ エーゾ
バラック内閣 エーゾ エーゾ

唄はコノサイ復興節
エーゾ エーゾとはやり出す アラマ オヤマ
何がエーゾとたずねたら
コノサイコノサイでいろいろもらえる エーゾ エーゾ
貧乏コノサイ エーゾ エー

 演歌の祖である唖然坊は、明治5年(1872年)に、神奈川県大磯で誕生しています。海軍兵学校に進学を目指しますが、合格後、そこに進学しないで、汽船の船員になりますが、挫折をして、横須賀で沖仲仕となって石炭の積み下ろしに従事しています。その後、「荘子節」を歌う演歌師に関心を向け、「演歌を歌う唖の蝉」という意味で、唖然坊を名乗って歌ったのです。

 多くの演歌を作詞作曲していきますが、唖蝉坊の社会風刺の目や想いは、実に厳しくも的を得ていました。ご子息の知道(芸名はさつき)も、父と同じく演歌師の道を歩んでいます。唖蝉坊は、全国行脚をしながら、演歌を歌い、ついには、浅草の屑屋の二階に居候し、そこで亡くなっています。まさに、金に縁のない一生だったのです。

(ウイキペディアによる、添田唖蝉坊、浅草です)

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