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 「」、難読漢字ですね。「あさがお」と読むそうです。今朝も、わが家のベランダには、2ヶ所で「朝顔」が咲いていて、カランコエを株分した鉢の中から、芽がのびて、今、花を咲かせる備えをしています。今季は種蒔き、芽吹き、植え替えなしで、去年の土の中に残った種から、3箇所で、朝顔が育っています。

 そうなんです。この漢字は、「しゅん」の音読で、訓読は「あさがお/むくげ」です。今季は諦めていた中に、芽が出てきて、盛りの時期は過ぎましたが、10月になろうとしている今でも咲いていてくれます。

 AD630年に始まり、二十回ほど遣わされた、「遣唐使船」が、唐の都から帰って来る時に、薬草として持ち帰ったものが、日本の地に、種が蒔かれれ蔓が出たら美しく咲き出したわけです。いつも思うのですが、大陸中国とわたしたちの国との関わりは、長く、太く、強烈です。

 初めて中国を訪ねたのは、聖書や研究書や小冊子を、旅行カバンに満杯に入れて出掛けた時でした。北京空港に降り立って、税関をを折る時に、「迷信書(税関では聖書をそう呼んでいました)」を持参したので、見つかったらどうしようかと胸が騒いだのです。ところが、その日の最終便でしたので、税関吏は及び腰で、帰り支度をしていて、カバンを開けられることなく通過できたのです。

 一番良いものをお土産にして、北京、呼和浩特(フフホト)、上海、広東の四都市を訪ねたのです。わたしの生き方を変える出会いがあったのは、呼和浩特ででした。拘束先から14ぶりに帰って来られて、5年ほど経っていたのでしょう、一人の働き人が家に招いてくれ、ご家族で賛美をし、美味しい夕食を用意してくださいました。

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 その時の交わりがあって、2006年に、天津に留学し、13年間、大陸で過ごせたのです。華南の街で4か所に住んだのですが、ベランダのあった家で、その日本から里帰りをした種を蒔いて、朝顔を育てたのです。大輪の花が、ベランダを飾ったのです。

朝顔に我は飯食う男かな  芭蕉

 「蓼食う虫も好き好き」と言われて、鮎(あゆ)などを食べる時に、毒消しでしょうか、臭い消しでしょうか、ツマや薬味に添えられるのが、「蓼(たで)」なのです。俳句の弟子の放縦な生活を戒める意味での作句だったそうです。『虫は蓼を食っても、わたし芭蕉は、きちんと米飯を食べています!』と、自分の生き方を言い表したのでしょう。

朝顔や昨日咲きとて今朝も咲き

 ここに、簾(すだれ)と風鈴があったら、昔ながらの日本情緒を懐かしみながら、行く夏を惜しむことができるのですが、雨水を集めて流れる巴波川が、15号台風のもたらした雷雨で、舟運の高瀬舟を引いて歩いた網手道を隠し、もう溢れんばかりになっていました。今朝は、いつもの流れになって、静かに流れています。いよいよ秋の感が強まってきた栃木です。

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