日光

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 一年ぶりに、日光の街の中心を離れた、街の南の方の「日光オリーブの里」に来ています。家内の通院日で、上の息子が通院の助けをしてくれ、ここまで車で送ってもらいました。家内にとっては、最上の《薬》で、次男がお嫁さんと一緒に来る時も同じですが、家内の目の色、表情が、ガラッと変わって、元気になってしまうのです。

 どんな薬にも優って、効用のある薬ですが、これまで40回ほど、がん免疫療法薬の「キイトルーダー(ペムブロリズマブ)」の投与を続けてきました。前々回の通院日に、主治医から、アメリカなどでは2年間の投与で終了なのだと聞いたのです。

 ところが日本では違っています。毎回、X線検査、血液検査、尿検査、時にはCTMRIPETなどの検査をしてきましたが、癌が活発になっていない休止状態が続いていましたので、一旦休止ということにしました。

 主治医の方からは言い出せないでいたのですが、欧米の例などをお聞きしましたので、今後は休止して様子を見守るということにしています。もう3ヶ月ほど投与はしていませんが、一昨日の胸部検査でも、癌の増殖は見られませんでした。

 そんな安心感から、日光に来たわけです。ここは、「ムラサキスポーツ」というスポーツ製品やスポーツ・イヴェント開催などの会社の社員用保養所で、一般にも貸し出している温泉宿泊施設です。素晴らしく配慮された施設で、喧騒から離れて、いっぱいの自然の中で、ゆっくりできるのです。

 コロナ禍で、利用者が激減しているのに、手を抜かない保守管理がなされていて、いつ来ても施設が綺麗で、気持ちよく過ごすことができます。明確な policy を経営者がお持ちなのがわかります。また来たくなるのです。

 帰国後、ゆっくりと時間が過ぎていて、その上での《ゆっくりさ》と言うのも、とても祝福でいっぱいなのです。ここで知り合いになった職員のみなさんに、華厳の滝に連れて行ってくださったり、名物の蕎麦を食べに行ったり、今回は、自家漬けの梅干しまでいただいて帰る、そんな時を過ごしています。

 もう紅葉が始まり、高い空で赤とんぼが群れて乱舞していて、栗の実も落ち、秋の花々が咲き乱れている日光の南に山の中は、素敵な所です。

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