捲土重来の夏

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 四字熟語、漢字の面白さ、奥深さ、広がりを感じさせる中国語の凄さを感じさせられます。

 秦の時代の末期に、項羽が自害をして果てます。その死を悼んで、詩人の杜牧が、「烏江亭に題す」に書き残したのが、「捲土重来(けんどじゅうらい、けんどちょうらい/両方の読みが正しいとされています)」の四字熟語の出典元なのです。「楚漢戦争」で、劉邦と戦いましたが、善戦及ばず負けて、「四面楚歌(しめんそか)」の状況下で、自ら命を絶ってしまうのです。武将は、一度は負けても、その恥を忍んで、その負けを盛り返して、再び戦おうとして欲しかった思いを、杜牧が、そう詠んだのです。

 国学院大学栃木高校が、長年の県高校野球の王者の作新学院を破って、全国高校野球選手権大会に、栃木県代表として出場し、第二回戦の相手、昨年の覇者の智弁和歌山高校と対戦し、逆転勝利で第3回戦の進出を、今日(13日)決めました。

 『・・・3月11日の練習開始前、柄目直人監督は選手たちに向かって、語りかけた。この日は、東日本大震災から11年目。指揮官は「今から11年前の今日、大震災が起こった。東北では津波によって多くの命が失われ、君たちと同じ高校生も命を落とした。あの災害を忘れてはいけない。震災の爪痕がまだ残っている中で、野球ができることに感謝しなければいけない。コロナ禍で練習が制限されているが、今この瞬間を大切にしよう。」と語ったそうです。

 今年の「国栃」野球部のクラブ・スローガンは、その「捲土重来」なのです。大平山に散歩に出かけることのあるわたしは、学校の横の坂道を登っていくのですが、その左脇に、「国栃」があります。陸上のトラックは見えますが、野球場は目に入りません。栃木市民としてもあり、地元出場校の応援、またこの学校の大学を出た、高等部の国語教師に、中学生のわたしは、「漢文」や「奥の細道」を教えられたことを思い出して応援しているのです。

 屈託がなく、Sports man spirit をもって戦う、高校球児の姿は、汗にまみれ、土に汚れながら、泣いたり笑ったり、悔しがったり喜んだりする姿は、どの出場校も素敵です。県代表になれなかった年月を思い返して、悔しい想いを受け継いできたので、「捲土重来」と、平和なスポーツの場面で、正直に、そして若者らしく感じたからなのでしょう。健闘を期待します。
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