新潟県

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 上越市に、ずいぶん前になるでしょうか、家内を誘って出かけたことがありました。上杉謙信の居城・春日山城のある街で、市内を流れる川に架かる橋の中ほどで、この街のに、神の祝福を、ふたりで祈ったのです。日本海側の街を見たくなっての旅でした。太平洋側と違って、太陽の輝く日が少ない県、街だと聞きました。

 次男は、新潟市内の高校に入学し、家内と長男と一緒に、入学式に出かけたり、運動会を見学をしたことがありました。『弁当忘れても、傘忘れるな!』と言う諺があるほど、雨天や曇天の日が多く、運動会当日も、グランドが田んぼのような中、教職員や生徒たちが、砂を撒いて行われていました。

 その帰りに、ガソリンスタンドでガソリンを入れていた時、店主が、お国自慢をしていたのです。と言うよりは、総理大臣・田中角栄自慢でした。新幹線や道路整備、トンネルの敷設、港湾整備など、地元への貢献に対する県民一般の感謝が溢れていました。こちらから聞き出したのではなく、越後といえば雪と米と角栄だからで、他県人は忘れてしまっても、越後人には忘れられない、人だったのです。

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 息子を訪ねて、三人での帰りに、上越道のサーヴィスエリヤで、「魚沼産コシヒカリ」を買って帰りました。冷たい沢の水で育てられた米は美味しいのです。中国の北にある黒竜江省でも、「あきた小町」や「コシヒカリ」が生産されていて、スーパーの米売り場にも、道端の商店にも置かれて売られていました。懐かしくて、つい買ってしまったのです。

 河南省の村に、二人の子どもを残し、おじいちゃんとおばあちゃんに子育てをお願いし、現金収入の出稼ぎに来ている、華南の街で出会ったご夫婦が、いつも米を担いで訪ねてきて、帰国するまで買わずに済んだほどでした。お百姓さんが丹精して生産した穀物も野菜も農産加工品も、どこの国でも美味しいのです。新潟も農業県で、日本の食糧を支えている県でもあります。

 この新潟は、「瞽女(ごぜ/盲御前から、そう呼ばれたようです)」の故郷だったと思います。目の不自由さを負いながら、逞しく生きていくために生きていくために、子どもの頃から、厳しい練習を積み重ねて、三味線の練習に励んで、一人前になったのです。辻や門口に立って歌って、何がしかのお足や食料を得て生きていた、旅芸人です。「最後の瞽女」と呼ばれ、三条市の名誉市民であった小林ハルさんの演奏、哀調に満ちた声の歌を聞いたことがありました。

 芸能の少なかった地方での活動は、全国的に広がって行ったそうで、その中で、「越後瞽女」が一番有名だったようです。ハルさんの『よい人と歩けば祭り、悪い人と歩けば修行!』と言う、ハルさんのことばは、どう人と関わって生きるかの積極的なあり方を教えてくれました。

 私の勤めた職場に、新潟県で県立高校の校長をなさった方おいででした。当時、おいくつくらいだったのでしょうか、書が上手で、昼休みのバトミントンの対決も、元気一杯の方でした。私に転職の勧めをしてくださった方だったのです。その思いが通じたのでしょうか、都内の高校から招聘されたのですが、一度、電話を職場にくださったのです。偉ぶらない気さくな方でした。

 そう忘れてはいけないのは、新潟県教員試験を受けたことがありました。見事不合格でした。万が一はあり得ないのですが、受かっていたら、越後で、情に熱く、辛抱強さがあり、『嫁は越後から!』と言われていますから、そんな嫁をもらっていたかも知れません。糟糠の妻は、大阪生まれで、東京育ちですが、越後女性のようです。新潟は離婚率の低さが特徴だと言われています。添い遂げる強さがあるからでしょう。
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 米所の越後は、煎餅も美味しく、あの「柿の種」は、新潟の企業が生産していて、帰国以来、菓子入れに欠かさなかったのですが、体調管理のために、最近は買うことも、食べることもなくなってしまいました。解禁する日が来るでしょうか。

 そう言えば佐渡には行ったことがありません。ここ栃木から、日光例幣使街道、中山道、三国街道を経て、佐渡へも行くことができたのです。もちろん、江戸の罪人が、佐渡送りにされると、この道を行ったのだそうです。難所を何度も越えての旅は、厳しいものだったことでしょう。今夏、その三国街道沿いの須川宿(みなかみ)に泊まったのですが、そこを通って、三国峠など、いくつもの峠を超えて、越後の長岡、寺泊の港から佐渡の赤泊の港へと繋がっていたのです。

 新潟県、北から下越、中越、上越と南北に長い、人口227万ほど県です。京の都とは、陸路と北前船の海路でつながっていたのです。江戸も陸路を延々と歩いて旅をしてたのを思いますと、新幹線や高速道路が、縦横に延びて、便利な時代になったものです。

(秋の「妙高高原」、「北から南に見た日本付近」です) 

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