分からない

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日本語の中には、漢語が溢れています。漢文を素読していたのですが、漢語を和語(日本語)に付け加えて、日本語が形成されてきたわけです。中学の国語の授業で、「漢詩」を学んだ時、「五言絶句」や「七言絶句」に、〈レ〉とか〈一〉とか〈二〉を付記して、日本語で読むのを学んだのです。


この李白の漢詩を、

早に白帝城を発す 李白

朝に辞す白帝彩雲の間
千里の江陵一日にして還る
両岸の猿声啼いて住(や)まざるに
軽舟已に過ぐ万重の山

と読むのです。その歯切れのよさに、私は、いっぺんに心を捉えられてしまって、漢詩の虜にされてしまったのです。外国語を、こんな風に、勝手に読んでしまうというのは、日本人の特技なのでしょうか。

それででしょうか、ヨーロッパ言語が、日本語の中に、独自の翻訳で入り込んできたわけです。幕末から明治初期のことでした。いわゆる「和製漢語」です。同じ時期に、日本で学んだ中国のみなさんが、それを母国に持ち帰って、中国語の中に取り込んだのです。

電気/電話/電車/自転車/病院/弁当/手帳/野球/雑誌/美術/組合/警察/出版/倫理/哲学/文化/原子/時間/空間/速度/温度/概念/理念/教養/義務/経験/会話/関係/理論/申請/演出/活躍/基準/主観/否定/接吻/失恋/目的/健康/常識/現金/工業/輸出/不動産/領土/投資/市場/企業/国際/経済/指数/債権/政治/革命/解決/社会/主義/法律/共産党/左翼/幹部/指導/議会/協定/市長/人権/批評/特権 他(OTONA LIFE | オトナライフから)

10年近く、中国の学校で、日本語を教える機会があったのですが、学生さんたちに、日本由来の中国語のあることを伝えた時に、みなさんには衝撃的だったのを覚えています。『まさか!』と思ったのかも知れません。

わが家では、テレビがない代わりに、“らじる?らじる” という、インターネットで放送されるNHKのニュースを、家内と二人で聞くことで、その日の社会の動きを知らされています。夕方6時50分頃になると、『ニュースを聞こう!』と言っては聞き始めるのです。

ラジオでニュースを聞いていて、家内と私の共通した思いは、十数年留守をしている間に、『カタカナ語が多くなって分からない!』、なのです。《美しい日本語》を持つ国なのに、必要以上にカタカナ語が濫用されているのではないでしょうか。ここまでの文章にだって、インターネット、テレビ、ニュース、ラジオと、カタカナ語を使ってしまっています。

でも最近、とみにカタカナ語が氾濫しているのではないでしょうか。都知事も、官房長官も、解説をする大学の先生たちも、必要以上に使い過ぎているに違いありません。それでニュースの全体が、伝わってきていないのです。それで、『ぜひ、用語の説明をしてほしい!』と思うことしきりです。

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