行ってみたい

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アニメの「耳をすませば」を観ていた時のことです。画面は、日が暮れて、辺りは暗くなっていく様子を映し出しています。電車が西に向かって走っていて、鉄橋を渡ってから右に曲がって行きます。そのすぐの所にある駅に、その電車が停るのです。ちょうど空を舞う鳥が、天空から見ているように映し出されていました。そして駅前の夕闇の中を、家路を急ぐ人の様子が映し出されていたのです。

空から見たことなどありませんが、その電車の沿線や駅前様子に見覚えがあったのです。そのあたりを歩いたり、自転車に乗ったり、車を運転していたことが、それまであったからです。それは、京王線の聖蹟桜ヶ丘駅と、その駅の周辺の様子だったのです。

アニメの監督は、まさに、その多摩市の一地域を舞台に、そのアニメを描き出していたことになります。空想の街ではなく、実際の街が、アニメの物語の舞台になるのだということを、初めて知ったのです。次男が、その夜間の様子を描いた映像の一劃に住んでいたことがあって、なお興味を持ったわけです。

その様に、アニメフアンは、その舞台になっている所が、どこなのかを探すのだそうです。探し当てたり、どなたかが探し出した情報を知ると、写真や動画を撮影に出かけて行くようです。そしてブログにアップしたりしています。アニメには、そのような<後日譚(ごじつたん)>があって、二重の楽しみがあるのだそうです。

そんな今日日の若者の趣味には驚かされます。これは今に限ったことではなく、昔もそうだったのではないでしょうか。映画やドラマの監督か原作者が好きなのかも知れませんが、よく「尾道」や「長崎」を舞台とした作品が多いようです。この2つの街は、坂が多いので有名で、その起伏があることが魅力なのでしょうか。それとも長崎人や尾道人が、魅力的なのでしょうか。さらには地方文化に光を当てたいからかも知れませね。

そういえば、東京や大阪などの大都会のビルやアスファルトよりも、自然や歴史に溢れた街の方が、趣きがあって好いかも知れません。中学生の頃に、名画座で観た、ジェームス・ディーンの”ジャイアンツ"や"エデンの東"の舞台になった街、オードリーヌ・ヘップバーンの「ローマの休日」の映画撮影地には、一度出かけてみたいものです。きっとアメリカにも、イタリアにも、そんな同じ願いの同世代人がいそうですね。

それよりも何よりも、人類の始祖が歩んだ《楽園》が、どこかにあるに違いありません。果たして、どんな所だったのでしょうか。興味津々で行ってみたい、たけなわの秋であります。

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