海体験

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中国にいる間に、新しい休日の「海の日」が制定してされていて、今年、家内の入院を機に、栃木県民となった私たちは、初めての「海の日」を迎えました。その日、関東に3つある「海なし県」の埼玉県に住む長男家族が、両親の住む、同じく海を持たない「栃木県」に、海に行かないで,家内の見舞いに来てくれました。もう一県は「群馬県」です。

この他に、山梨、長野、岐阜、滋賀、奈良の5県があります。海洋国家なのに、海と縁がない、これらの「内陸県」は、何か足りなさを覚えるのかも知リません。海なし県で生まれ、海なし県で老いを過ごしている今、海鮮料理の好きな私たちは、海への憧れが、ことさら強いのです。

小学校唱歌に「われは海の子」がありました。

我は海の子 白波の
さわぐいそべの松原に
煙たなびくとまやこそ
我がなつかしき住家なれ

生まれて潮にゆあみして
波を子守の歌と聞き
千里寄せくる海の気を
吸ひてわらべとなりにけり

高く鼻つくいその香に
不断の花のかをりあり
なぎさの松に吹く風を
いみじき楽と我は聞く

父は中学校の時に、東京湾を遠泳したことがあると言って、海を見ながら育ったのです。母も山陰の荒波の砕ける音を聞きなが育ったのに、弟と私は、海のない山奥で生まれたのです。ですから人一倍、海に郷愁を感じてならないのです。

それで、長男家族が、私たちに「寿司」をご馳走してくれたのです。内陸で、新鮮なネタの寿司が食べられるというのは、実に嬉しいことなのです。茨城の海が近いので、江戸期には、塩漬けではない、新鮮な海産物が陸路で運ばれて、栃木人は、海産物を食べることができたのでしょうか。

長く住んできている華南の街は、海あり省で、海あり市でしたし、大きな川を下って東シナ海に接しています。友人に車で何度も海に連れて行ってもらい、海浜の料理屋で海鮮料理をご馳走になったこともしばしばでした。海の向こうに祖国があるという郷愁を覚える時でもあります。

肌寒い今夏ですが、海に跳んで行きたい思いに駆られてしまいました。きっと、車があって、免許証を失効させないでいたら、何やら理由づけして、近い茨城の海に跳んで行ってしまいそうです。でも、ここの寿司は美味しいのです。回転寿司のちっと奮発したテイクアウト寿司で、家内も私も喜ばせてもらった「海の日」の「海体験」でした。

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