人類は滅びる

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”ZAKZAK“に、次の様な記事がありました。共鳴しましたので、無許可ですが転載します。
★生物学者・池田清彦さん『ほどほどのすすめ』さくら舎1400円+税
 いいことも悪いことも、ほどほどにしておくのがベターであり、なんでも大きくなりすぎるとつぶれてしまうし、強くなり過ぎれば滅びの日が近くなる…と説く生物学者。その真意を確かめようと、東京・高尾山の麓にある「TAKAO599MUSEUM」(旧・高尾自然科学博物館)で名誉館長を務める著者を訪ねた。(文・たからしげる 写真・早坂洋祐)

 --執筆の動機は
 「いまの日本は、だれかが右にいったら、みんなもドドーッと右にいき、左にいけば、だれもがドドーッと左にいくといった感じが強く、多様性がまるでないんですね。もっと余裕をもって、世界というか周りを眺めることが必要だと思ったのがきっかけです」 
 「“いい加減”や“適当”に比べると“ほどほど”っていうのはそんなに悪い言葉じゃありませんし。政治や経済のことから、あるいは身辺まわりのことまで、ほどほどというテーマに沿って、思いついたことを並べています」
 --ほどほどのよさに気がついた最初は
 「昔からぼくはいい加減で、勉強もあまりしませんでしたが、虫取りを始めて外国によく行くようになりました。特に東南アジアに行くと、日本人みたいにまじめに働いている人はあまりいないんです。それでも結構楽しそうに暮らしている。働いてお金を稼ぐばかりが幸せじゃないよねと、そのとき気がつきました。それからは、大好きな虫取りと、これはという大事な本を書くとき以外は、すべてほどほどで生きてきています」
--著書には日本が将来、クラッシュの危機に遭遇すると
 「それを避けるには人口を減らすことです。それと、安い労働力として海外から人を入れることはやめたほうがいいでしょう。フランス、ドイツ、イギリスも、移民を入れたことで国がぐちゃぐちゃになっています」
 「企業はいくら儲かっても、国民は幸福になれません。いまは少子高齢化が叫ばれていますが、あと20年もすれば高齢者はみんな死んでいなくなるわけです。その時点を見つめてのシステムを、しっかり考えておくべきでしょう」
 --このままでいけば日本は…
 「最悪の場合は、円が暴落、物価が高騰して、敗戦後の日本みたいになってしまう。金持ちはみんな海外に逃げていって、残された貧乏人ばかりの国になってしまうでしょう。独裁権力が生き残れるような憲法ができてしまうと、いまの自由主義の看板が外されて北朝鮮みたいな独裁国家にもなりかねません。法律も憲法も改正とか考えないで、ほどほどにしておいたほうがいいってことです」
 --人類は滅びると
 「人類はたぶん滅ぶだろうし、防ぐ手立てはないと思うんですけど、真面目な論者が言っているような、人間が環境を破壊して人口が爆発して、資源や食糧が枯渇して核戦争が起きて滅びるといったシナリオにはならないでしょう。そんなことで人類は滅びません。たとえ核戦争が起きても局地的なものにとどまって、人類全滅にまでは至らない。それより怖いのは、地球規模の自然災害でしょう。いちばん怖いのは火山の大噴火と隕石落下ですね。あと
--SNSのマイナス面の克服にも言及されている
 「変なジャンクの情報とか、人を中傷誹謗する配信が増えてくると、それで傷つく人がいっぱい出てくるわけです。何を言われても平気な、頭の頑丈な人になればいい。むちゃくちゃ言われても、ほどほどに聞き流すか、無視して通せばいいんです」
 --人間が昆虫の世界に学ぶものは
 「昆虫は、資源をみんなでシェアします。人間は何でもかんでも食べますが、昆虫は、たとえばモンショロチョウはアブラナ科の植物以外は食べません。ほかのものを食べれば死ぬというわけじゃないんですが、分をわきまえています。だから、チョウ全体の食糧が枯渇しないんですよ。人間も見習うべきですね」
 ■内容
 この世は「矛盾繰り込みシステム」であり、どんなに矛盾を排除しようとしても、それはできない相談だ。生きていること自体、そうした巨大な矛盾を繰り込むシステムなのだ。「この先何が起きるかわからないが、そのときはそのときだ」と腹をくくって、今日を楽しむ生き方のほうが幸福感は高くなる。生きていくことは常に危険と隣り合わせで、予測などできない。予測不可能だから面白い。そうした「この世を幸せに生きるためのほどほどの策」の集大成。
■池田清彦(いけだ・きよひこ)
 1947年、東京都生まれ。生物学者。71歳。早稲田大学名誉教授。東京教育大学理学部卒業。東京都立大学大学院生物学専攻博士課程修了。構造主義生物学の見地から科学論・社会評論の執筆。趣味は昆虫採集、カミキリムシ収集家としても著名。著書に『なぜ生物に寿命はあるのか?』『この世はウソでできている』『真面目に生きると損をする』『進化論の最前線』『ウソとマコトの自然学』など多数。

(東京の郊外・八王子にある「TAKAO599MUSEUM」です)

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