気質と言葉

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関西圏と関東圏との違いを、端的に言い表している言葉があります。比較例が、好くないのをおゆるし頂きたいのですが、「アホ」と「バカ」と言う言葉です。昔、ある総理大臣が、『バカヤロー!』と口を滑らせて、国会が解散したそうですが。関東人が言う『バカ!』には、棘があり、言われた人の感情を甚だしく傷つけてしまうようです。通りすがりで、肩が触れ合って、『気をつけろい、馬鹿野郎!』とでも言うなら、テレビや映画でなく、普段の街中でも殴り合いになるのです。

ところが関西人が言う、『アホ!』は、喧嘩まではいかないのではないでしょうか。関東で育った私が、よその言葉を聞く感じ方の違いで、そう感じているだけなのでしょうか。大阪の人に聞いて見ないと、そう言われた実感を理解できません。関西の漫才で、時々聞く限りでは、軽い響きがあって、『なんでやねん?』と、受け答えできそうに思えるのですが。気質の違いが、言葉の違いでもあるようです。

船で帰国したり、戻って来たりするたびに、上海の街を、何度か歩いたことがあります。旧日本人街のあった辺りを、「虹口(ホンキュ)」とか「四馬路(スマロ)」と、昔の歌で歌われていたのですが、そこに「福州路」があって、地下鉄を降りて、しばらく歩きますと、「外灘waitan」に出られます。世界有数の港で、船の行き来も多くて、観光客の数も驚くほどです(この辺りしか上海を知りません)。

私が泊まったのは、古いホテルでしたので、もしかしたら、戦前からあったものを改装したのではないかと思ったのです。ちょっと<懐旧的>な趣を楽しめたからです。上海の外灘の「古写真」を見たことがありますが、波止場を作っている<黄浦江>の流れの曲がり工合が、今も同じで、そこに写っているのと同じ建物(時計の付いた建物が有名です)が、今も現役で使われているのが分かります。

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この<上海>が大阪で、首都の<北京>が東京のような感じなのでしょうか。上海語と標準語の違いがありますが、言葉の響きの違いも、きっとあるのではないかと思われるのです。こちらの方に言わせると、北の人と南の人では、食べ物の味だけでなく、<気質>がだいぶ違うのだそうです。そう言えば、天津でよく見た取っ組み合いの喧嘩が、華南では、ほとんど見られないことと関係しているかも知れません。

気候が厳しいか穏やかか、肉か魚か、味が辛いか甘いかなどによっても違いがあるのでしょうか。<◯◯気質>と言ったりするようですが、広大で多民族の中国では、言葉や表現の仕方の違いも大きく、多様なのでしょうね。狭く小さな日本でも、その違いがはっきりしてるのですから。

(写真は、”百度検索”より、1930年代の上海の「外灘」、下、北京の胡同<下町>の昔の様子を描いた絵です)

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