情熱、責任感、判断力を

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   地方でも国でも、その職員になりたかったり、教員になりたかったら、政治家さんや県の幹部職員さんに、『小判を底に、隠し入れた菓子折りを届けるべし!』と言う昔ながらの賄賂方式があるようです。

 江戸時代だけではなく、令和の御代にも通用するそうです。実力がないのに、〈金力〉で機会を掴めるイチバンの方法のようです。就職を頼むだけではなく、昇格や昇給時にも、結婚だってそうかも知れません。利かせ薬をするのだそうです。その賄賂や利かせ薬も、「裏金」と言うのでしょうか。闇の中で動く、最も効果的な働きをするモノです。

 その裏金には、政治献金の中から、別にされて、闇の中で、隠し使われるお金のことなんだと、今回ニュースで知りました。国の政権を担ってきたJ政党の議員さんたちが、未申告で、政治資金として隠して手元に置き、「利き薬」として、票集めや私的な遊興に、自在に使える汚れたお金であります。

 話は、150年も遡りますが、明治のご維新で、尊王攘夷のもとに、明治維新政府が、欧米に真似て始まります。有能な人材が病没、暗殺、戦役で亡くなってしまって、近代日本の政党政治による政府が誕生して、その要に座ったのは、某藩の農民の子で、足軽の身分を掴み取った父親の子で、下級武士でした。松下村塾での学びを、教室の外で、正規外で立ったままで、学んでいた男でした。結局、ハルピンで、朝鮮族の革命家に狙撃されて死んでいったのです。

 もちろんお百姓さんだって、志が高く、高潔な人格で、有能な人はたくさんおいでです。身分にはよりませんが、野卑さを持ったままの人が、野心に燃えて、権威の座につくと、やはり問題はおきかねません。

 英雄ではないのに、色を好んだ男で、そう言った女色好みというのは、〈お金好み〉と共に、日本の政治家のDNAに受け継がれたのかも知れません。そういった輩が、政権を担い、国家を動かしていかなければならない立場に就いているのが、おかしいのです。

 聖書は、『さればわれ第一に勸む、凡ての人のため、王たち及び凡て權を有つものの爲に、おのおの願・祈祷・とりなし・感謝せよ。(テモテ後書21節)』と、「凡て權を有つものの爲に」、良い意味でも悪い意味でも祈ることを命じています。国や都道府県や市町村の政権を委ねられている政党、首長のために祈るべきなのです。

 日本で、「オッペケペー節」を唱えて、壮士芝居をした川上音二郎と、同年生まれのマックスウェーバーと言う社会学者が、次のように言っています。

 『政治家に必要な資質は、情熱、責任感、判断力である。』

 政治不信、政治家不信の元凶の中で、「金力」や「派閥」や「縁故」や「名門」や「血筋」などを表看板にしない、真に、情熱にあふれ、責任感に長け、判断力が明敏で、無欲な人が、政治家になって欲しいと願うのです。

 『精神なき専門人、心情なき享楽人、この無なるものが、人間性のかつて到達したことのない段階にまですでに登りつめた、と自惚れている。(「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」から)』

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 実業家も、教育家も、政治家も、精神や心情を欠いて、自惚れてしまうと、情熱が冷め、責任を放棄し、判断力が鈍ってしまい、傲慢になってしまうのです。ちなみに、川上音二郎が唱えた「オッペケペー節」は、次のような揶揄するような歌詞で歌われていたのです。

♯権利幸福きらゐな人に自由湯をばのましたい
オッペケペ オッペケペッポーペッポーポー
堅い上下角とれて マンテルヅボンに人力車
意気な束髪ボンねット 貴女(きじょ)に紳士のいでたちで
外部のかざりはよけれども 政治の思想が欠乏だ
天地の真理が解らない 心に自由の種をまけ
オッペケペ オッペケペッポ ペッポーポー

不景気極る今日に 細民困窮みかへらず 目深に被ふた高帽子
金の指輪に金時計 権門貴顕に膝をまげ 芸者たいこに金をまき
内には米を倉につみ 同胞兄弟見殺か
幾等慈悲なき欲心も 余り非道な薄情な 但し冥土の御土産か
地獄でゑんまに面会し わいろ遣ふて極楽へ 行けるかえ ゆけないよ
オッペケペ オッペケペッポーポー

亭主の職業は知らないが おつむは当世のそくはつで
ことばは開化の漢語(かんご)で みそかのことわり洋犬(カメ)抱いて
不似合だ およしなさい なんにも知らずに知ったかほ
むやみに西洋をはなにかけ 日本酒なんぞはのまれない
ビールにブランデーベルモット 腹にもなれない洋食を
やたらに喰ふのもまけおしみ なゐしょで後架(こうか)でへどついて
まじめな顔してコーヒのむ おかしいね
エラペケペッポ ペッポーポー

儘になるなら自由の水で 国のけがれを落したい
オッペケペッポヘッポーポ
むことけ島田に当世髪 ねづみのかたきに違いない
かたまきゾロゾロ 引づらし 舶来もようで りっぱだね
買う時ア大層おだしだろう 夏向アあつくていらないよ
其時ァおっ母が 推量(すいりょ)して お袖に隠して一走り
細工にいてくるよ ヲヤ大きなこゑでハ いわれない
内証だよぶたいハ結構(けつきやう)だ ごめんなさい
オッペケペ オッペケペッポ ペッポポ ♭(以下省略)

 一国の国民を、誇りある国民として、平和を享受できるようにと、公平な政治に献身し、政(まつりごと)に従って欲しいと、令和の政治家のみなさんに、政治家を目指すみなさんに願ってやみません。もちろん、素晴らしい軍人も政治家も少なからずいたことは事実です。でも、注意すべきは、軍人と政治家の「驕り」ではないでしょうか。明治以降の今世史をみると、そのことが警告的に分かるのです。

(ウイキペディアによる慶長小判、川上音二郎夫妻です)

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