日本と中国の関係の悪化で、苦しんでいるのが、日本語専攻の学生のみなさんです。将来は、『日本に留学をしたいと思っています!』、『日本の文学作品などの翻訳をしたい!』、『日系の企業で働きたいのです!』と願って、日本語を学んでいるからです。9月15日以降、卒業生で、日系企業に就職した方たちは、仕事の量が激減してしまった人もいたようで、『週休3日になってしまいました!』と、話をしていました。それでも、その会社の社長(総経理)さんは、日本の本社に掛けあってくれて、給料は現状維持の状況なんだそうです。これは好い方で、中には解雇されたりで、就職浪人になっている人たちもいるそうです。
学生のみなさんが書き上げた「作文」を読んでみますと、異口同音に、彼らは、平和を願っているのです。少なくとも、彼らは高校で、日本の「侵略戦争」を教えられてきましたが、教師たちからは、「平和教育」を受けてきたことが書かれていました。ある学生は、祖母の戦争体験を記しています。日本軍が自分の村にやってきて、その襲撃から逃れるために、故郷を追われて、家族を失い、幼い日に家族の中で話していた方言も捨てなければならなかった辛さを、おばあさんは、孫の彼に話したそうです。故郷が、戦場にならなかった方たちもいますが、一様に、戦争の悲惨さを伝え聞いているようです。それだからでしょうか、彼ら自身が願うのは、「平和」なのです。日本が、「軍隊」を持ち、国境警備のために、一個中隊を進駐させたりしたら、また、あの時代のような悲惨なことが起こるのは必至ではないでしょうか。母が泣き、妻子が苦しまなければならないのです。
昨日も、卒業生が二人訪ねてくれました。一緒に昼食をとって、交わりを持ちました。ふたりとも、日系の企業に納品している中国企業で働いています。社会人として頑張っているようでした。そうですね、中国の華南の地から、平和のシンボルである「ハト」を飛ばせてたいと思っています。日本でもそうしたいと願っている、在日の中国人のみなさんがおいでのことでしょう。「平和」と「友好」の思いが通じるように、そう願う週の初めの日であります。
(写真は、中国と日本の友好の証の「遣唐使船(復元)」です)