初夏の道端で

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 「万葉集」に、

浅みどり 染めかけたりと 見るまでに 春のやなぎは 芽(も)えにけるかも

とあります。

 「浅緑」が芽生えていく様子を、そう詠んだのです。晩春の季語の柳ですが、「立夏(五月五日)過ぎの今は、もう夏なのでしょう。散歩道の川に流れ込む池の淵に、芽吹きの時期は過ぎてしまいましたが、この柳の木があります。万葉人の感性に驚かされ、鳥の鳴く根も、芽え出る若芽や若葉に感動したように、自分の心にも、その感動が残っているを感じて、春をほめたたえ、夏を歓迎する今であります。

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