葉物

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 日本の食卓に上る葉物で、最も人気があるのは、「ほうれん草」でしょうか。イランが原産で、そこから東西に、「絹の道(シルク・ロード)」で伝えられて、日本には、中国から江戸時代の初めに伝わっています。中国名が変化した、この呼び名になったようです。交配が繰り返され、今のような多くの種類が生産されているのです。昨日食べたのは、丸く生えた種類で、よくスーパーにあるまっすぐ行儀良く袋に入ったものとは違っていました。甘みが多かったのです。

 もう一つ人気があるのは、「小松菜」です。父の家の正月のお雑煮には、小松菜が入っていて、それに鶏肉、鰹節と醤油で作った出汁で煮たものが定番でした。それででしょうか、小松菜のおひたしや味噌汁を、今でもよく自分で作るのです。

 名のない菜葉(なっぱ)だったのだそうですが、八代将軍の吉宗が、鷹狩の折に出された菜葉を気に入ったのだそうです。それが、江戸は小松川の産であったことから、「小松菜」と呼ばれたのだそうです。

 長く甲府で生活をしましたので、そこに、塩漬けにした「地菜(じな)」を、油揚げと一緒に油炒めした物があって、よくいただいて食べたのです。漬かり過ぎてしまったものを、塩抜きにして作るのです。信州では野沢菜、確か熊本など九州では高菜と呼んでいたと思います。

 中国の華南の街でも、同じようにして料理された菜葉が出て来て、驚いたことがありました。それと、小松菜は同族の菜葉だそうで、父が好きだったからでしょうか、私も好きなので、味噌汁の具は、豆腐かシジミか、この小松菜が多いのです。

 この小松菜は、ビタミンA、鉄分などのミネラルを多く含んでいて、冬場が一番美味しいのだそうで、カルシュウムの摂取には最適だと言われています。食生の不思議さを常々感じるのです。どの国にも、どの民族にも、健康の維持や増進にために、独特な食材があることです。それを偶然に土地から得るか、造物主の配慮ととるかで違いますが、造物種に配慮によるのでしょう。一番は、その土地土地によって、地産地消の食物を摂ることによって、最適な食物があって、人の健康が支えられているのです。

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