オーロラ

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地球上に起こることは、悲しかったり、見るに耐えられないかったり、不安だったりしますので、地上への関心を、ひとまず停止し、目と思いとを、天空に向けて見ることにします。そこには《流星群》や《オーロラ》が見られて、素晴らしい世界が広がっているではありませんか。

中国・北宋の時代の詩人、蘇軾(そしょく)が詠んだ詩に、「中秋月」があります。

暮雲収蓋溢清寒
銀漢無聲轉玉盤
此生此夜不長好
明月明年何處看

◯日本語読み
暮雲収め尽くして清寒溢れ
銀漢 声無く 玉盤を転ず
此の生 此の夜 長くは好からず
明月 明年 何れの処にて看ん

◯ 日本語訳
日暮れ方、雲はすっかり無くなって、さわやかな涼気が
みなぎり、銀河には玉の盆のような明月が音もなくさしのぼった。
この楽しい人生、この楽しい夜も、永久につづくわけはない。
この明月を、明年ははたしてどこで眺めることだろう。

ここに詠まれる「銀漢」とは、「銀河」、《天の川》のことです。古代中国の詩人も、官職にあった北宋の世も、人との関わりが煩雑で、生きるには難しかったのでしょう。彼もまた、空に目を向けたのです。地上からは群れをなしてる様に見えても、一つ一つの星は、孤高の光を煌めかせいたのです。
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二十一世紀の地上は、落ち着きがありません。怒声や唸り声や憎しみが、やかましく渦巻いています。敵愾心、赦せない思い、過去に民族が負った不始末の蒸し返し、被害者も加害者も荒げた声と、殺伐とした思いが鍔剃り合いながら、挙げた拳を下ろそうとしても、下し所と時が見当たりません。

作詞が永六輔、作曲がいずみたく、坂本九の歌った「見上げてごらん夜の星を」が、よく歌われていました。

見上げてごらん夜の星を 小さな星の
小さな光が ささやかな幸せを うたってる

見上げてごらん夜の星を 僕らのように
名もない星が ささやかな幸せを 祈ってる

手をつなごう僕と 追いかけよう夢を
二人なら苦しくなんかないさ

見上げてごらん夜の星を 小さな星の
小さな光が ささやかな幸せを うたってる

手をつなごう僕と 追いかけよう夢を
二人なら苦しくなんかないさ

見上げてごらん夜の星を 小さな星の
小さな光が ささやかな幸せを うたってる

見上げてごらん夜の星を 僕らのように
名もない星が ささやかな幸せを 祈ってる
ささやかな幸せを 祈ってる

だから、アラスカやカナダやスカンジナビアに、《オーロラ》を見上げに行ってみたいと、仕切りに思うのです。もう召されてしまったのですが、知人を病床に見舞ったり、病院の送り迎えを繰り返して差し上げた、同年輩の男性と、『元気になったら、オーロラを見に行くじゃん!』と約束したことがありました。彼もまた企業戦士で、やり手であったから、心も擦り切れていて、それを、繕う旅に、誘って、外の世界に連れ出して上げたかったからです。

アラスカならずとも、また内蒙古の草原のバオから、降る様な《流星群》や《銀漢》を見上げてみたいのです。ストレスを溜め込まない私ですが、子どもの頃に、写真で見た、《オーロラ》も、元気なうちに出掛けて見てみたいのです。悠久の時間を味わえそうです。
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