flex

 

 

わが家の台所兼食堂の窓を開けると、150メートルほどの所に高校の校舎が見えます。県立高校で、この地域の〈災害避難所〉に指定されています。時々、その学校の脇を通るのです。昔の校舎と違って、授業の様子が、漏れ聞こえてくることがない、鉄筋の校舎です。

先日、その校舎の陰の小川の流れ、ちょうど学校から死角になっている個所で、私服の若者が、棒に紐をつけて回して遊んでいました。また、遅刻に違いない学生が、お母さんの運転する車で送られて、裏の校門を入って行くのを見てしまいました。風邪でも引いて、病院に行っての帰りなのかと思ってみたのですが。

ところが、どうも自由登下校の学校なのだと、友人のご夫人から聞いたのです。それで、学校のホームページを開いて見ました。この高校は、次に様に紹介されています。

《フレックス・ハイスクールです  

フレックス制とはライフスタイルに応じて、学校で学習する時間帯を選択できるしくみのことをいいます。学悠館では定時制課程Ⅰ部(午前の部)・Ⅱ部(午後の部)・Ⅲ部(夜間の部)の3コースに加え、通信制課程も併設しています。

《単位制高校です》  

・約100科目・380講座の授業の中から、自分の進路選択に合わせた時間割を作成します。

・3年以上在学し、74単位以上を修得すると卒業できます。

・転入学、編入学制度があります。以前に在籍していた高校の修得単位が活かせます。

・学外での活動や学んだこと(留学・大学等での学修など)、各種検定試験への積極的な取り組みが、単位として認定されます。広い視点に立って、学びに挑戦できます。

それで、抜け出して遊んでいたり、遅刻していると思った私の思いとは違っていたのです。新しい形の教育をしていることを知って、納得したのです。自分が受けた教育とは違った形で、今では高校教育が行われているのを知って、なんだか嬉しくなってしまったのです。

一般人を対象に、「公開講座」も行なっているそうで、J大学やR大学で受講経験のある私は、来年、時間をとって、受講してみたいな、と思ったのです。校舎の死角の所で、旗振りなんかしたら面白そうです。おじいさんだって向学心があるんだと、奮起してみたくなったのです。

辛夷(こぶし)が咲き、桜、花水木と咲いてきた校庭脇を通りながら、《フレックス教育》をする学校があるのだということを知って、おざなりな教育だけでなく、学生の願いに呼応して学べるというのはいいことだ、そんな感想を持った次第です。

(昔の小学校の廊下です)

.

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください