雪かき

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もう12年ほど、この季節にしていないことがあります。それは「雪かき」です。私たちの事務所があった建物の玄関の前と横の道路は、中学校と小学校の「通学路」でした。雪が降って、踏み固められてしまうと、凍結して溶けにくく、歩行する時に滑ってしまいます。玄関が北向きでしたので陽が射している時間が短く、一旦凍ったら、なかなか溶けませんでした。

それで雪が降り始めると、車や足で踏み固められる前に、「雪かき」をしたのです。隣の化粧品店のご主人と、何時も隣り合わせでやっていました。この方が年をとってこられて、えらそうになった時から、隣の分のお手伝いをして上げました。とても喜んでおいででした。寒冷地で、年寄りだけが住んでいる地域では、さぞかし「雪かき」が大変なことでしょう。

今年、日本では大雪が降ったそうで、「雪かき」が出来ているかどうか、ここ海の向こうから、ちょっと心配しています。事務所が開所して37年ほど、年に三、四度ほど、「雪かき」をした覚えがあります。事務所の近くに住んでいた時はよかったのですが、ちょっと遠くに越してからは、車で出かけては済ませ、空を見て、道路を見て、積もりそうだと思うと、また駆けつけたりしたのです。「冬の風物詩」として、ちょっとえらかったのですが、とても懐かしく思い出されます。

ここは降雪地帯ではないですし、凍結する事もありません。ただ大きな河川の近くに住み始めたせいでしょうか、湿気が強くなっているのを感じます。人間の住まいや生き方など、ちょっとした事で、随分と違いあるものだと感じ入ってしまいます。今日の天気は曇り、寒いし、空を見上げていると、チラチラ降ってくるのではないかと錯覚しそうです。

駅でも、店の前でも、今年の寒波の降雪で、駅員さんや店員さんは、手にスコップや雪かきを持って、「雪かき」に励んでいらっしゃる事でしょう。『電車を出せ!』と、怒鳴り散らす乗客がいるそうですが、懸命に除雪や復旧に努めている事を知って欲しいものです。旧国鉄の保線区のおじさんが、線路の切り替え部分を、降雪時に凍結しないように、小さな火つけて、油を絶やさないように補充しながら保線している姿を、子どもの頃に見掛けました。真夜中でも、そうして、列車の運行を塩梅(あんばい)していたのです。それにしても今年は寒いですね。お風邪を召されません様に。

(鉄路の「カンテラ式融雪装置」の火が見えます)
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