華々しくなくも素敵な野球人がいた

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 大リーガーだった、イチローや松井の名前を知らない人はいないのですが、大家友和(おおかともかず)という選手がいたことをご存知でしょうか。横浜ベイスターズ球団のピッチャーとして活躍した選手でした。日本の球界では名が知られていませんでしたが、勇躍アメリカにわたって、ボストン・レッドソックスに入団し、それ以降、多くの大リーグのチームで、現役大リーガとして投げ続けておられた好選手でした。

 彼は母子家庭に育ったのだそうです。学生時代には、国から援助を受けながら育った経験から、『日本の若者たちに夢を持って生きて欲しい。夢を持って頑張る若者たちを応援したい!』との願いから、《Tomo Ohyaチャリティーツアー》を始められたのです。彼へのインタビューを聞いていて、実に好感の持てる野球人だと感じ入ったのです。

 実に訥々(とつとつ)として、野球少年然として話されるのでしたが、話の内容がしっかりとしているのに驚かされました。こういった青年がいることで、安心するのは私だけではなかったと、思い返すのです。

 2006年の新聞のトップに、「海外で蓄財数十億円」と報じられていました。この三十代前半の青年が、隠し資産をスイスの銀行の口座などで、“ 〇〇マネー “ などと言って蓄財しているのとは違って、私財や時間や夢をささげて、恵まれないこの時代の子どもたちに、『夢をつないで生きていって欲しい!』と願ってでした。そんな風に生きている大家選手に、『今年もがんばって!』と拍手をしたのを思い出すのです。

 実は、同世代の松井選手たちに比べたら、大リーグ通算51勝を挙げていますが、それほど多くない収入でした。今年も、指名打者として大リーグのMVPを獲得した、大谷翔平選手の莫大な収入には、はるかに及びませんが、その収入の多くを投じ、スポンサーの協力を得て、このような働きをし続けているのには、胸が晴れるような思いがした覚えがあります。

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 かつて、アイルトン・セナと言うレーサーがいました。ブラジルの青少年の憧れは、彼がカー・レーサーとして活躍するからだけではなく、ブラジルの社会の底辺で、あえいで生きている家庭の青少年の育成のために、莫大な私材を投じていたからだと聞いています。

 レース事故で亡くなった彼の死を惜しむ声も、哀悼も信じられないほど大きかったのだそうです。多分、ブラジルの元大統領が亡くなっても、あのセナに対しての全国民的な思いほどには大きくはなかっただろうと言われています。
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 [Tomoのオフィシャル・ホームページ]に、『大家友和って誰?』とあって、『誰とも変わらない27才の普通の日本人男性、元病弱な少年・・・夢を追い求める男!』とありました。自分の夢の追求のためだけにではなく、日本中の青少年少女の夢の実現ために活躍している彼の真摯な姿に、彼の ”追っかけ”をしてみたい気持ちでいっぱいになったのを思い出します。

 聖書に、『神は言われる。終わりの日に、わたしの霊をすべての人に注ぐ。すると、あなたがたの息子や娘は預言し、青年は幻を見・・(新改訳聖書 使徒行伝2・17)」』とあります。青年が青年であるのは、夢や幻や理想を追い求めて生きることにあると言うのです。

 聖霊なる神さまは、青年に、実現可能の「幻」を見せてくださるのです。イエスさまも、『青年よ。あなたに言う、起きなさい(ルカ7・14)』と言われました。蓄財のためには手段を選ばない、死んでいるかに見える様な生き方ではなく、『青年らしく生きるために、安全地帯から出て、冒険の世界に雄飛しなさい!』と言っているに違いありません。

 18年も前の2006年の大リーグの試合に、Tomoの活躍を期待したのです。彼から夢を託される青少年たちが、健全に成長することを願って、祝福を祈ったのです。今は、プロ野球のチームのコーチに就任されておいでです。

 この暮れに、4人の孫たちが、ジジババを訪ねてくれました。十代の彼らには、それぞれに夢があり、その実現をきして、ハツラツと生きています。世界に起こっている、悲惨な出来事に心を痛めたり、自ら悩んだり、もがきながらある青年期の真っ只中にあります。私の安心は、彼らが神を恐れて、人を愛し、感謝して生きていることです。夢の実現に、エールを送る今です。

(“freepik”の野球イラスト、ウイキペディアの機上のセナ、横浜時代の大家投手です)

 

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