酷暑(猛暑)

 「暑さ」を表す言葉に、酷暑、猛暑、炎暑、溽暑(じょくしょ)、そして激暑とあるそうで、この「溽暑」と「激暑」は初めて知りました。その他に「熱波」ということばもあるようです。中国語では、「酷暑」を使うようです。何年か前のことですが、こちらに来たばかりの頃に、家内と近くのスーパーに買物に行きました。その時、道路の水たまりに、四つん這いになってお腹を冷やしている犬がいたのを見て、驚いてしまいました。犬の智恵というのでしょうか、四肢を放り出して少しでも涼を取ろうとしている光景に、思わず吹き出してしまったのです。犬の水浴びは見たことがありますが、華南の真夏、猛暑の中で生きる動物にも、それなりに生きる工夫があるのですね。

 以前は、「四大火炉」といって、南昌(江西省)、重庆(重慶)、武汉(湖北省)、南京(江蘇省)でしたが、最近、「中国最热的四大城市」は、福州、杭州、重庆、长沙(湖南省) だそうです。この数年、私たちの住んでいる町が中国中で一番熱い街になっているそうです。日本語では「暑い」と夏の暑さを言い表しますが、中国語では「熱re」と言う表現を使います。この町は、地下に温泉が埋蔵されていて、それで地熱が高くなり、気温上昇につながっているのだそうです。私たちの友人で、いつもお世話してくださる方のご両親が、空港の近くの街に住んでおられますが、今夏、体調を崩され、お二人とも、今、入院しておられます。例年になく熱い夏を迎えて、高齢者が「熱中症」にかかっているのだそうです。日本でも大勢の人が、救急車で搬送されたとニュースが伝えていましたが、こちらでも同じです。

 幸い家内も私も守られていまして、『気をつけて下さい。水を沢山飲んで下さい!』と若い友人たちに注意をされております。先々週は、クーラーを効かせて《転寝(うたたね)》をしてしまい、『寒いなあ!』と思いながらスイッチを切らなかったので、案の定、冷房病になってダウンしてしまいました39.4度の体温で、唸って3、4日伏せてしまいました。セキが出て、喉が痛かったのですが、「おかゆ」を少し食べることができましたので、回復が早かったのかも知れません。これほどの高熱は初めてのことで、家内を心配させてしまいました。私が平熱に戻ったら、今度は彼女が39度の高熱を出して寝込んでしまったのです。《夫病附随》というべきでしょうか。

 それ以来、クーラーを極力使わないことにしているのです。昨日今日と、沖縄をかすめて朝鮮半島に向かっている台風7号の影響でしょうか、猛暑から解放されてしのぎやすいので感謝しております。毎日38度ほどの気温で、体感は40℃以上と言われていますから、避暑をしているようです。今週は、東北地方へ旅行の予定でしたが、取りやめにして、来週初めに、家内と、近くの島に出かけてみようかなと思っています。

 東京も、私の生まれた古里の夏も、厳しい暑さでしたが、こちらには比べられません。誰も見ていなかったら、あの犬のように、水たまりに体を投げ出したい誘惑に駆られそうです。それにしても年年歳歳、熱さが厳しくなっているのを感じます。でも健康が支えられているのには感謝でいっぱいです。日本は、梅雨も開け、猛暑日が続いているようです。もう「暑中」なのでしょうか、みなさんのご健康を願ってお見舞いいたします。

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