ROYAL LINE

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 もう50年以上も前になりますが、61才で、天のふるさとに帰って行った父が、『お前がひげを生やすと、俺の親爺にそっくりだ!』と、子どもの頃から何度か、私に言っていました。自分の父親の面影を引き継いでいる息子を見て、感慨深げに、そう言葉をもらしたのです。

 隔世遺伝なのでしょうか、祖父に似ている自分を鏡に映して、中学生の私は母親の黛で口ひげを描いたことがありました。ところが、そのひげを消さないままで、買い物に行ってしまったのです。応対してくれた店員さんが、実に不思議そうな顔をしているのを見て、『あっ!』と思い出して逃げ帰ったのを思い出します。自分は、『母親似だ!』とよく言われてきましたから、両親の家系の様々な遺伝子を受け継いで、自分が形造られているのだということを知らされるのです。 

 次女が、初めの子、わたしたちに初孫を連れて里帰りしたことがありました。彼は父親がJETプログラムで、長野県下の高校で英語教師をしていた時に、長野県下の街で誕生していたのです。その3年の任期を終えて、彼を伴ってオレゴンに帰って行きました。それから半年ぶりの訪問だったのです。『いちばん可愛い時期の孫を楽しんでもらいたい!』との婿殿の勧めに押し出されて、娘は、いそいそと息子を抱いてやって来たわけです。

 家内と私は、ほんとうに娘と孫との滞在を楽しませてもらうことができました。その孫の顔の表情やしぐさを見て、母所蔵の写真に映っている、彼の年齢ほどの頃の自分の顔を思い出させられたのです。『ひいおばあちゃんにも会って欲しい!』との娘の願いで、東京の母の所を、みんなで訪ねました。

 そして母のタンスから、早速、その写真を引っ張り出して、彼と見比べてみたのです。実に驚くほど似ているのです。そうしますと、祖父と孫とが似ていることになりますから、5世代の間に、引き継がれている相似性を見出せることになるわけです。これまで、3度ほど私は口ひげをつけたことがありましたが、父が召された後でしたので、父を喜ばせることができなかったのが、少々残念で仕方がありませんでした。。

 さて、聖書によりますと、私たちは、顔かたちはともかくとして、アダムの罪を引き継いでいると言います。ところが、イエスさまは、イエスさまをキリストと信じた私たちの罪を十字架に負われて、アダムの罪を継承した私たちの罪を、その十字架上で処置し、転嫁された罪と自ら犯した罪を贖ってくださったのです。ですから今や、アダムの血筋の中で自分を模索したり、発見しないですむのです。今や、イエスさまの贖いの系列、《ロイヤル・ライン》の中で、自分を再発見し、確認することができるようにされていることになります。これが、私たちの頂いた「救い」なのであります。

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 さて、パウロが、『私たちはみな、顔のおおいを取りのけられて、鏡のように主の栄光を反映させながら、栄光から栄光へと、主と同じかたちに姿を変えられて行きます。これはまさに、御霊なる主の働きによるのです(2コリント3・18)』と、手紙に記しました。私は青年期に、映画のスクリーンやテレビに映し出された、『鶴田浩二のような渋い大人になりたい!』と切に願って、男を磨きました。

 地が悪いのか、砥石が良くなかったのか、彼の様にはなりきれないまま、今日を迎えてしまったのですが、クリスチャンとされた私は、問題だらけで生きて死んでいった小野英二(鶴田浩二の本名)ではなく、イエスさまに似せられると、聖書は約束してくださったのです。私の変貌の願いが、創造者の恵みによって叶えられることに、感謝を覚えるのであります。

 いつの日か、『おじいちゃんに似てしまって、僕は迷惑なんだ!』と、最初の孫が思うのではないかと心配するのですが、彼には、私ではなく、『イエスさまに似るんだね!』との希望を持って欲しいのです。そういえば、父が、『親爺は俺を、横須賀の教会に連れて行ってくれた!』と言っていましたから、5世代で、天国で会えるのではないかと、わくわくして期待している、孫、その翌年に生まれた長男の子、次に生まれた次女の娘、長男の娘も、今や十代、人生の「工事中」なのだそうです。

 今朝、次女からのmessage で、日本時間の昼前に、次女の教会の学生キャンプで、「baptisma」が行われ、二人の外孫が、それを受けると言ってきました。はっきりと、父系と母系から継承した信仰を表明し、主と使徒たちの命じた、バプテスマを受けて、人生の大海に、嵐もあることでしょう、その中に漕ぎ出していって欲しいと願う朝です。信仰も似てくれたことに感謝しつつ。

【追記】 夕暮れの湖で、baptisma が行われ、17人の若者たちが受けて、その喜びの声が聞こえてきました。teen age の決心が、青年期の危機を越えさせてくださるように、いのちの付与者、保持者にお願いしました。God bless you!

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