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2012年の初めにあたり、心からのご挨拶を申し上げます。
昨年の年頭には、誰もが明るい一年を願ったのですが、3月には、歴史にもまれな地震が列島の北、東北地方を大きく揺さぶり、甚大な被害をもたらしました。この地震に伴って発生しました津波が、美しいリアス式の三陸海岸を襲ってしまいました。また、この津波は、福島の海岸線にあった原子力発電所を襲って、壊滅的な照射線漏れを起こし、日本ばかりではなく、隣国にも世界中にも、不安と怖れを引き起こしてしまいました。結果論になるのですが、もし周到な備えがなされていたら、的確な初期処置がなされていたら、これほどの被害は起こらなかったのだと、どうしても思ってしまい、悔しさが湧くき上がってきます。それほどに危険だということを、しっかりと認識した上で、安全対策がこうじられていたら、これほど多くの人々の人生を狂わることはなかったのに、と大変悔やまれます。でも、これほどの困難に出会いながらも、願わなかった現実を受け入れて、その上にしっかりと立ち、生き方を変えていこうとしている、被災された多くのみなさんがいらっしゃって、その柔軟さに本当に励まされております
この新しい年の元旦、六度目の正月を、ここ中国で迎えました。澄み切った青空が、なんとも言えない希望を胸の中に広げてくれるように感じております。しかし、晴れの日ばかりではなく、日本でも、どこの国でも、決して願わない何かが、今年も起こりうるのではないでしょうか。幸福も、そうでない不幸も、私たちは受けなければならないのでしたら、安易な考えは持つことはありませんが、起こりうる可能性をしっかりと認識しながら、どちらにでも対応できるように生きていきたい、そう思わされております。
陸上競技でも野球でもサッカーでも、『走者が走るのは、、どうしたら良いのか?』という、〈スポーツの調査〉の結果を聞いたことがあります。〈笑顔〉で走るほうが、苦しい表情で走るよりも、速く走れるのだそうです。私たちの人生が、80年ほどだとしますと、そんなに早く走ることは要求されないのですが、人生の意味を満喫したり、有意義に生きたりするのは、やはりこの調査結果から学んで、〈笑顔〉で生きるのがいいということになりそうです。2012年、相形(そうぎょう)を崩して、微笑んだ顔、笑顔で生きていきたいと思っております。
人生の困難に直面して、どうしても避けられない事態に直面したときに、そのただ中で、次のような思いで心を満たすのがいいのだそうです。『この事態が好転したら、この国土の美しい自然の中に出かけていって、その景色を満喫しよう!あの美味しかった◯◯を食べよう!愛する人や懐かしい人と会おう!』との思いを持つことなのだそうです。明日の危険におびえるよりも、明日に希望や夢や幻をつないで生きて行くほうが、はるかに素晴らしい生き方となるに違いありません。
『生きていることを楽しみたい!』、今年はこんな標題を掲げてみたいと思っております。様々な出来事や人に出会うことでしょうから、その出来事を、その人を、心から笑顔で迎えて、楽しもうと思います。心が元気になる本を読んだり、話を聞いたりもしたいものです。
良いお年をお過ごしください。また、どうぞよろしくお願いいたします。
(写真上は、荘厳なる大空、下は、岩手県岩泉町の秋の紅葉「美しい日本の風景」です)