遜る

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 「主はあなたに告げられた。人よ。何が良いことなのか。主は何をあなたに求めておられるのか。それは、ただ公義を行い、誠実を愛し、へりくだってあなたの神とともに歩むことではないか。(ミカ書6章8節)」

 「遜る」と言う学課についてです。貶(けな)されたり、褒められたりして、今日まで生きてきました。” balance sheet “ にしてみますと、圧倒的に、貶されたことが多かったなあの今までなのです。それだけ欠点や短所が目立って多かったからなのです。

 貶されると、私は、『何のその!』と言って、自分の良いところを思うことにしたのです。欠点は、いつか変えられると言う希望を持ってでした。

 先週、第46代アメリカ大統領のバイデン氏の就任式が行われていましたが、第39代カーター大統領が選ばれた時、お母さんから送られたのが、冒頭の言葉でした。大統領の重責を果たす上で、こんなに的確で、素晴らしい理念は他にありません。大統領職に就任する息子を産んだ、母の誇りや得意満面さは母の口に一言もありませんでした。四年間の職務を、どんな心で過ごすべきかを、このお母さんは知っていたのです。

 ミカの時代、経済力や地位を持つ一握りの人たちの支配下にありました。人々は、その抑圧下にあって、不当な扱いを受けていたのです。裁判官も宗教家も金儲けが第一になるほど堕落していました。そんな只中、預言者として、神のことばを発したのがミカでした。

 真の預言者は、国家権力を恐れませんし、阿(おもね)ることもしません。「義」を貫き、「義」を行うことを語ります。お金や地位や誉を求めたり愛したりしないで、「誠実」を愛することを勧めます。さらに謙遜に生きることに祝福を語ります。人の顔色や財布の中に思いを向けずに、神と共に遜って歩むことこそ、大切だと言ったのです。

 カーター大統領は、大向こうを唸らせ、歴史にことを残す様な、政策的な大芝居を打つことはなかったのですが、誠実に任務を果たしたのです。まさに、カーター大統領は、

 「わが子よ。あなたの父の訓戒に聞き従え。あなたの母の教えを捨ててはならない。(箴言1章18節)」

を守って生きたことになります。ピーナッツ栽培農家の息子でしたが、パレスチナの寒村の村民に向けて語った預言のことばを、輝けるアメリカ合衆国の大統領に、お母さんが語ったと言うことは、特筆に値します。預言者の声に耳を傾けて、「謙遜」に生きる勧めだったわけです。

 カーター時代のホワイトハウスの住人は、ホテルのモーニングを食べたり、有名ステーキ屋のステーキを食べる、どこかの首長とは違って、貧しかったそうです。なぜかと言いますと、特権の濫用をしなかったからです。ホワイトハウスを飾る花でさえ、野に咲く花を積んで活けたとの逸話も残されています。カーター大統領は、私の恩師と同じ、ジョージア州の出身でした。ちなみのこの州のニックネームは、” The Peach State “ だそうです。

 
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