手に取るな やはり野におけ 蓮華草
この蓮華(れんげ)草の俳句は、江戸中期の俳人、瓢水(ひょうすい)の句です。野原に自生し、誰に見られるともなく、天に向かって咲いている野の草花が多くあります。その様に、野原に咲いているからこそ美しいわけです。この俳句は、『手で摘んで、家の中に飾って眺めるものではない!』と言っているのです。
それなのに、家内と散歩中に、道の脇の雑草の中に咲いていた、この写真の紅白の花を、家内は手を延べて摘んで、自分のベッドの脇にあるテーブルの上で、ガラス瓶にさしているのです。もう3日以上も経つのに、まだ活き活きと咲き続けています。
望むも望まずも、人生のあらゆる時点や居場所こそが、誰にとっても一番好い時であり場所なのでしょう。健やかで陽気であっても、病んだり傷心していても、それを認めて受け入れて、感謝ができたら、人生って素敵なものだと言うことが分かる様になりました。
人や生き物には、個々に相応しい環境があるのでしょう。まさか私たちが、ここ栃木に住むなど、これまで考えもしませんでした。それなのに、今やその市民となり、こちらで穫れる野菜を食べ、水を飲みながら生活をしているのです。家内の闘病も然りで、信じられないほどの愛と好意を、多くの友人や家族や親族から頂いて、最善の環境が与えられ、感謝な時を過ごしれいるのです。
✳︎追記 [HP里山を歩こう]に質問しましたら、読者のみなさんから、「ホット・リップス」と言う名の花だと回答がありました。
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