一寸

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年の暮れに、 まだ若かった頃に「煽(おだ)てられ話」を一つ。父の親戚筋の家に遊びに行くと<中村錦之助 (後の萬屋錦之助)> 、高校の頃は<山内賢>、社会に出ると<渡瀬恒彦>や<中条きよし>、そんな映画俳優や歌手に似てると煽てられていました。渡瀬恒彦や中条きよしという芸能人は、知りませんでした。別に、どうでも好いと思って聞き流していたからです。

その後、この知らなかった二人の若い頃の写真を見る機会がありました。それで驚いたのです。そっくりだと言われましたから、何十年も経ってから、昨年だったでしょうか、『では!』と言う事で調べてみたわけです。<渡瀬恒彦>は、渡哲也の弟で、同年齢でした。彼の映画は観たことがありませんが、テレビの警察物に出ていて、何度か見ました。

また、ダメ男を主人公に、「うそ」という歌謡曲を歌っていたと聞いていましたが、 『噓だろう!』と思って、<中条きよし>も調べてみたのです。ところが、ネットで検索したのは、この二人の若い時の写真で、『これって俺の?』と思うほどに似ていたので驚いたわけです。

あれほどニヒルだったり、ニヤケた顔ではないと思うのですが、ここに掲出したものです。 自分が認めるのですから、似てるのかも知れません。自分の顔は、好きではありませんでした。頭の格好も声も好きではなかったのです。顔は整形すれば変わるのですが、そんなことは男のすることではないので、いじりませんでした。ただ声は変わると期待して、多摩川の流れの瀬音のする岸に立って、大声を出して、喉を潰そうと実行したのですが、しゃがれ声になっても、また元に戻ってしまいました。

でも、私の愛読書に、「あなたがたのうちだれが、心配したからといって、自分のいのち(身長)を少しでも延ばすことができますか。」とあります。それを読んでから、父と母の全てを受け継いで生まれてきた私は、自分の身長も、目が一重か二重か、福耳か狼耳か、面長か丸顔か、何もかもありのままの自分を受け入れなければならないということを知ったのです。もちろん気質や性格もです。

どうにもならないことを嫌っても、変えようと願っても、仕方がないのに、そうしようと、結構、人は悩むのです。変えられるのは、生活態度や性格の好くない点や、価値観、死生観などです。それで方向転換して、人への悪い態度を改めようと決めたのです。生意気なのもいけないと気づいて変えたいと思いました。諦めが早かったのですが、忍耐強く頑張ろうとしました。短気だったので、一呼吸二呼吸置くことにしたのです。失敗しながらも、少しは好くなってきたかな、どうかなと言ったところです。

《自分は自分》、好いも悪いも、全てを認め、受け入れ、そして自分を愛することができたらいいですね。"一寸(3.03cm)"でも前進できたら、努力途中ででも、人生を卒業できそうです。年をとると頑固になり、切れやすいと思われていますが、《例外》になってみたいものです。2017年も、そろそろ行こうとしています。反省ばかりなので、「煽てられ話」を。
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