両手

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私は、味噌汁を飲むときに、スプーンを使いません。椀の淵に口をつけて飲みます。飲む時には、たまに音を出してすすることもあります。ところが、中国のみなさんは、スプーンを使って、「湯(スープのことです)」を飲むので、音を立てません。わが家に来客のある時、<ラーメン>を作ってご馳走することがあります。スーパーで、豚骨スープ味の<日本ラーメン>が売っていて、それを使うのです。野菜や肉を炒めて、添えて作ったものは好評です。

みなさんの食べぶりを見ていると、決して麺を音を出してすすることをしません。アメリカ人がするように、パックンと音無しで食べるのです。それを見ていて、飲むように、すするようにして蕎麦を食べる(江戸っ子は喉で食べると言ったそうですが)日本人の私には、『美味しくないだろうな?』と思ってしまいます。いつでしたか、アメリカのオレゴンを訪問した時、子どもたちと一緒に、日本式のラーメン屋に入ったのです。韓国人の方が経営しているそうで、味は日本の味ではありませんでした。それでも、私と一緒に食べられて満足してました。なぜかと言うと、『お父さんと一緒だと、音を出して食べられるから!』だったのです。

ここに貼り付けた写真を見てください。幼い子どもが、器を両手で持って飲み干そうとしています。お腹が空いていて、好物のスープをお母さんが作ってくれたのでしょう。行儀よくスプーンを使っていたのですが、残り少なくなったのか、面倒になったのか、または美味し過ぎたのか、スプーンをテーブルの上において、飲み始めたのでしょう。『おいしいの!』との声が聞こえてきそうです。

とても健康的で、家庭的で、そして自由な感じが現れていて、とても好きな写真です。この同じ両手で、これから様々なものを持って、この子は生きて行くのです。この子が生きていくのが、平和な時代であるようにとの願いを持ちながら、私たちの子育てを委ねられた四人の幼い日のことを思い返しております。

(写真は”ナショナル・ジオグラフィック”からです)


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