本来なら中国に戻って担当を任されました日本語科の授業のために、ひがら準備や提出された学生のみなさんの「作文」の添削で、時を過ごしていますのに、家内の入院手術に、ともにいてあげたくて、日本にとどまっております。それで、3月11日に起きました「東北関東大震災」と、それに伴って発生しました「福島原発事故」の報道ニュースに注目させていただいております。おととい、次男の家で家内と3人で、池上彰さんの「学べるニュース~生放送3時間~(tv asahi)」の番組を観ていました。この番組に、東京工業大学の原子炉工学研究所准教授の松本 義久さんが出演されておりました。
長男と同世代の研究者ですが、私たち素人にチンプンカンプンな専門的な話をされるのかと思って、耳を傾けていましたが、話しぶりは巧みではありませんが、平易な言葉で理解できるように話されており、つい聞き入ってしまったのです。松本准教授が、番組のおしまいに、この放射能汚染の危機のただ中で、大きく揺れ動く東日本の窮状のただ中で、『「お守り」があるんです!』と言われました。『今回の一連の流れの中で、2つの放射能があるんです。1つは、《本当にこわい放射能》、もう1つは、《本当は怖くない放射能》です・・・』と話され、『この《本当に怖い放射能》に立ち向かいながら、この事態を収束させようと頑張っていらっしゃる働くレスキュー隊のみなさんには、ほんとうに敬意を表します。』と謝辞を述べておいででした。
日本存続を大きく左右する現場で、放射能の汚染に冒される危険を顧みずに、一命を賭して働かれていらっしゃるみなさんへの感謝こそ、この未曾有の国家的危機を脱するために、私たちのできることだと知らされたのです。政府の対応の稚拙さ、東電の周章狼狽ぶり、福島県民の怒りと戸惑い、近隣の都県の住民の恐怖、世界中が声を上げている放射能汚染の影響、報道ニュースは、次から次へと伝えていますが、《事故現場》だけに、解決の要諦があります。『税金の無駄遣いだ!』、『憲法違反だ!』と揶揄避難されてきた自衛隊の隊員のみなさんの雄々しく危機に立ち向かい介入される姿に、背筋の伸びる思いをさせられています。警察官、消防隊員、東電の社員や下請け企業にみなさんが、最前線に立って怯(ひる)まない姿こそ、《益荒男(ますらお)》そのものではないでしょうか。
多くの危機を超え6000年の間生き続けてきた私たち人間の内側には、《天来の祝福》が宿っているのではないでしょうか。松本さんは、日本人の受け継いできたDNA(遺伝子)についても触れていました。『・・・恐れるあまりに大事なものを失ってきている・・・これだけは伝えたいと思います。私たちの体は、放射線から守る、すごい《お守り》を持っているんです。それが遺伝子・DNAなんです!』とです。否定的なことにだけ目を向けて、慌てふためいている日本人に、『だいじょうぶ、恐れるな!慌てるな!落ち着け!』と肯定的なとらえ方を訴えておられました。この科学者というよりは哲学者のような勧めに、池上さんも、解説の鈴木さん、キャスターも言葉を失っていたようです。
頑張っていてくださるみなさんが大勢いますから、私たちも頑張りたいものです。父や母、祖父や祖母たちは、幾多の困難や危機を超えて、この素晴らしい国土を、そして地球を守り残してきてくれたのですから。何よりも、造物主の《憐憫と恩寵》、全地の統治者からいただくことのできる、人知を超越した《天来の知恵》を信じたいのです!
※ この番組はyoutubeにあります。
http://www.youtube.com/watch?v=wiaZKkEcCGM
(写真は、http://www.furipe-world.com/Asia/JPNの「富士と桜」です)