雪中花のスマホ撮影を

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 上の写真は、家内の散歩コースに咲いていた「水仙」です。下のものは、華南の街の家のベランダで、いただいたものが咲いたものでした。この水仙の花は、スペインやポルトガル、そして地中海あたりが原産で、絹の道で運ばれて、中国大陸に伝えられたそうです。

 日本には、遣唐使が、それを持ち帰って、増え広がって行ったという説と、中国の川岸に咲いていた花の球根が、海に流出され、海に漂い、海流に乗って、日本の海外にやって来て、波に打ち上げられて根付き、咲き始めたとの説があります。

 何度も、上海から船で帰国したのを思い返しますと、海流に運ばれた球根が漂流して、日本の海岸部に運ばれ、そこで群生したという方が、ロマンチックでいいかも知れません。福井県の越前岬、兵庫県の洲本、淡路島などに群生ていますから、あながち想像上の渡来説だとは言えなさそうです。

 別名の「雪中花」の呼び名が、私は大好きです。

風に風に 群れとぶ鴎
波が牙むく 越前岬
ここが故郷 がんばりますと
花はりりしい 雪中花
小さな母の 面影ゆれてます

紅を紅をさすこともなく
趣味は楽しく 働くことと
母の言葉が いまでも残る
雪をかぶった 雪中花
しあわせ薄い 背中を知ってます

いつかいつか薄日がさして
波もうららな 越前岬
見ててください 出直しますと
花はけなげな 雪中花
やさしい母の 笑顔が咲いてます

 雪の深い越前の岬に咲く雪中花の写真を見たことがあります。雪を被りながらも、寒さの中に、吹く風に負けず咲く姿が飄々としていいのです。家内が入院中に、一人で住んでいた貸家の道路際に、洗濯物を持ち帰った折、ひっそりと白と黄色に咲いている花を見ることができました。その健気さに、どんなに励まされたか知れません。

 まさか、散歩中に、そんな家内がスマホをかざして、雪中花を撮れるように回復するとは思いもよりませんでした。感謝な春三月です。

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